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今、なぜゲーム業界を舞台にしたドラマなのか(2ページ目)

ゲーセンが舞台の『ノーコン・キッド』にゲーム制作を描く『東京トイボックス』。最近、ゲーム業界を描いたドラマが目立ちますがその理由は?そしてゲーム業界の次にドラマで描かれそうな業界はこれだ!

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

パチンコドラマも過去にはあったが

深夜になると多くなるCMといえばパチンコもあります。

パチンコのドラマは最近ではみかけませんが、以前はつくられていました。地上波連ドラで最後に作られたのは1996年、日本テレビ系水曜22時枠『グッドラック』。松本明子演じるヒロインが急死した父の後を継いで潰れかかったパチンコ屋の立て直しに奮闘するドラマでした。

しかし『グッドラック』が放送された1996年はプリペイドカードの変造・偽造、日本遊技機工業組合に加盟する遊技機メーカーなどへの公正取引委員会の立ち入り検査などパチンコ業界の問題が明らかになった年でした。

これ以降のパチンコ舞台の連ドラというと2002年にはBS-i(現BS-TBS)メインで放送された(地上波では遅れて深夜に放送)『Pな彼女』シリーズぐらいです。

現在、パチンコがテレビドラマで使われるのというと放送中の『闇金ウシジマくんSeason2』にでてくる、借金を重ねて売春でかえすパチンコ依存症の女のような扱いが一般的です。

過去を舞台に

この状況でパチンコメインのドラマをつくるにはどうしたらいいのか?やはりダーティなイメージの少なかった過去を舞台にするのが一番でしょう。

今では信じられませんがNHKでもパチンコ連ドラがありました。1982年の『本日開店』で戦後からのパチンコ屋経営のドラマで過去が舞台。NHK名古屋が、パチンコ発祥の地にちなんで制作しています。

原作としてオススメなのはコミック『釘師サブやん』。『包丁人味平』の牛次郎・ビッグ錠コンビがその直前に書いた作品。パチンコの出玉を調整する釘師とパチプロの戦いを描いたもので、これが少年マガジン連載と少年誌で許されていました。

連載していた1970年代初めごろ、パチンコの売りはチューリップ、玉も一つずつ手で入れていた手打ち式の牧歌的時代だったので許されたのでしょう。1980年代に入るとデジタル化したフィーバーになって大当たりをねらう現在まで続く流れになっていきます。

舞台を過去にすると時代考証とかロケ、セットづくりなどややこしくなります。しかし近年は地方公共団体のロケ地誘致のためのサービス、CG技術の進歩などは追い風。ぜひご検討いただきたいところです。
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