航空券/航空会社・エアライントピックス

ついになくなる!?燃油サーチャージ。変わるか航空業界(2ページ目)

不本意ながらもすっかり業界に定着してしまった燃油サーチャージ。ところが、今新しい動きが出始めています。マレーシア航空が2014年4月から燃油サーチャージを運賃と一本化することを発表しました! 業界のこの新しい動きについて検証します。

中原 健一郎

中原 健一郎

海外旅行 ガイド

中小企業診断士、観光学講師、全国通訳案内士。次世代の国際派観光人材の育成や観光立国とパンデミック回復に向けてサービス産業の業務改善に取組む他、約120か国の渡航経験を元に、独自の経験則に基づく海外旅行の危機管理やお得情報を発信。観光庁「若旅授業」「地域の観光人材のインバウンド対応能力強化研修」講師。

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足並みが揃わない業界各社

このサーチャージの問題点については、以下の二つの点において業界の足並みが揃っていないことが消費者の混乱に拍車をかけています。

■航空会社によって燃油サーチャージの金額が違うこと
善悪の価値判断は抜きにしますが、例えば同じ成田→バンコク間の便であっても、利用する航空会社によって燃油サーチャージの金額が変わってきます。さらに、(LCCなど)燃油サーチャージを徴収しない会社だってあります。

共同運航便は、例えば全日空の機材を使う場合でも実際は複数の航空会社によって運行される

共同運航便は、例えば全日空の機材を使う場合でも実際は複数の航空会社によって運行される

また昨今は共同運航(コードシェア)便が非常に多くなっていますが、この場合、共同運航するどちらの会社から予約するかによって、金額が変わってきたりします。結局当日乗る飛行機は同じであるにもかかわらずです。

■航空会社や旅行代理店によって表示の仕方が違うこと
同じ航空会社の同じ航空券であっても、販売する旅行代理店によって店頭などでのサーチャージの表記はまちまちです。HISのように早くからサーチャージ込みの表示に積極的に取り組んでいる会社もあれば、目安の金額のみの表示のところも多いですし、「お問い合わせください」の一文で逃げている会社も多いのが実情です。

また、海外ではサーチャージ込みの表記が主流になりつつあると感じますが、国や航空会社によってまだまだ対応はまちまちなところがあります。航空会社の中には、本国のホームページは込み表記になっているにもかかわらず、日本語版ホームページでは「サーチャージ別」の表記にしているところも少なくありません。

例えばこちら>>>英国航空(British Airways)、本国イギリスのホームページ
同航空、日本語版ホームページ

ホームページからの予約も、サーチャージの金額に注意!

ホームページからの予約も、サーチャージの金額に注意!

またオーストラリアのカンタス航空などは、英語版検索ページでは、「QANTAS/ALL INCLUSIVE AIRFARE~」と全て込み表記にしていることを見出しでアピールしていますが、日本語版では変わらず「サーチャージを除く」となっています。

カンタス航空日本語版、国際線割引運賃のページ

これらなどは、日本の業界全体としてサーチャージ込み表記への移行が遅れている証左と言えるのではないでしょうか。

要は、結局総額いくらなのか? という本来極めて明白でなくてはならない情報を得るために、なぜか消費者が大きな負担を強いられているのが問題なのです。通常の商慣行に照らし合わせればありえない状態が常態化している現状はどう考えてもおかしいはずです。

次ページ 「ついにマレーシア航空がサーチャージと運賃の一本化を発表!」

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