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業種別・年収ランキング!平均年収433万1000円。1位の業種は714万7000円

令和2年(2020年)分の給与、年収を業種別にランキングしました。トップの業種は電気・ガス・熱供給・水道業でした。他の業種はどのようになっているのでしょうか? 年齢別の年収もあわせてご紹介します。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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民間企業の最新・お給料事情

これから就職する人も、すでにお給料をもらっている人も、業種別などの給与データは気になるところでしょう。平均賃金などの調査はいくつかの機関が行っていますが、今回は令和3年9月に発表された「民間給与実態統計調査(令和2年分)」をご紹介します。

この調査は、国税庁が実施しているもので、従業員1人の事業所までを調査対象としています。民間企業の従業員で非正規雇用者も対象としているので、より実態に近い調査結果といえるでしょう。
 

平均年収433万1000円。正規雇用のみでは495万7000円

■男女別の平均年収(単位:千円)
【表1】 民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与と対前年比。そのうち正規、非正規別にも集計したもの。出典:令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

【表1】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与と対前年比。そのうち正規、非正規別にも集計したもの。出典:令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)


表1は、民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与と対前年比です。正規、非正規別に集計したものです。ここでいう平均給与とは、給料や手当、ボーナスなどの合計額(通勤手当は含めず)で、いわゆる平均年収です。
 
男女あわせて全業種の平均年収は433万1000円。前年(令和元年分)の同じ調査では436万4000円で、前年比0.8%のダウンです。前年(令和元年分)の調査では、前年比1.0%ダウンでしたが、さらに下がっています。
 
雇用形態別にみてみると、正規雇用の平均年収は495万7000円なのに対して、非正規雇用は176万2000円。労働時間の差はあるとはいえ、差は大きくひらいています。特に男性の差が大きく、正規雇用の平均年収550万1000円に対して非正規雇用227万6000円。非正規は正規の半分にも満たず、約40%という低さです。年齢や勤続年数など条件が異なり、単純には比較できませんが、格差は深刻な状況です。
 

高年収は電気・ガス業などの714万7000円、金融・保険業629万7000円

■業種別の男女別平均給与(単位:千円)
【表2】 民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与を業種別、男女別に集計したもの。出典:令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

【表2】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与を業種別、男女別に集計したもの。出典:令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)


表2は平均給与を業種別・男女別に集計し、合計年収が高い順に並び替えたものです。一番高年収だった業種は、電気・ガス・熱供給・水道業で714万7000円。全体平均433万1000円の約1.6倍という、超高額な平均年収となっています。
 
2位は、金融・保険業の629万7000円、3位は情報通信業の611万1000円と続きます。中でも注目したいのが、電気・ガス業などの女性の平均収入。529万9000円で、他の多くの業種が100万~300万円台という中で500万円超えと飛びぬけて高くなっています。女性が正規で長く勤めやすく、収入もあがる仕組みができているのでしょう。
 
年収が低い業種は、宿泊業、飲食サービス業で251万3000円。次いで農林水産・鉱業で299万9000円。この2業種が200万円台となっています。飲食サービス業などは勤務時間が短い非正規雇用者が多い業種です。この結果は予想できるとはいえ、平均の433万円の6割弱というのは厳しい結果です。
 
業種別の平均年収をみてきました。さらに詳しく年齢別の平均年収をご紹介しましょう。
 

平均年収は55~59歳がマックス

■業種別の年齢別平均給与(単位:千円)
【表3】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与を業種別、年齢別に集計したもの。出典:令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

【表3】民間企業で1年を通じて勤務した給与所得者(パートタイマー、アルバイト、派遣社員、契約社員、嘱託などの非正規を含む)の平均給与を業種別、年齢別に集計したもの。出典:令和2年分 民間給与実態統計調査(国税庁)


表3は、平均給与を業種別・年齢別に集計し、合計年収が高い順に並び替えたものです。
 
業種計では、55~59歳の平均年収518万2000円が一番高額で、その後は下がっているのがわかります。その前の50~54歳が514万3000円とほぼ同じ収入となっており、50歳代が収入のピークというところでしょうか。また、50歳代後半から60歳代前半には100万円強ダウンとなっており、大幅に下がっている様子がわかります。
 

電気・ガス業などの50歳前半は900万円超え

業種別にみてみると、電気・ガス・熱供給・水道業の50~54歳が907万2000円と900万円を超えています。他の業種ではみられない高額です。他の業種で一番高額な年齢層での金額は、情報通信業55~59歳で799万8000円。800万円に届きそうです。次は金融・保険業の50~54歳の770万2000円。700万円を超えるのは、この3業種のみです。700万円、800万円も他業種から比べるとかなりの高額ですが、900万円を超える電気・ガス業などは群を抜いてトップということがわかります。
  
表3の青で色を塗っているのは、業種、年齢別に一番高収入だったところ。電気・ガス業などや金融・保険業は50歳代前半ですが、サービス業や卸売・小売業などは40歳代後半となっています。また、情報通信業や建設業などのように50歳代後半の業種も多くあります。業種によって年齢別の年収動向が変わっていますね。
 
ご自身の年収が今後どのような動きをするのかを予測しておくと、ライフプランを考えるうえでも参考になります。今回は業種ごとの動向でしたが、勤務先の動向などを調べるとさらによいでしょう。

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