注文住宅/建築費用・見積りの読み方を知る

土地が決まらない段階で家の予算を出すには(2ページ目)

「住まいを通じて幸せになる家族が家づくりで実践していること」の中でも、特に家づくりにかかる前の準備段階(何からはじめて、どうやって設計までに至ればいいか)を7つのステップで紹介していきます。今回はステップその6です。

八納 啓造

執筆者:八納 啓造

幸せになる家づくりガイド

坪単価で考えるときに注意したいこと

基本的に坪単価で予算を考えることはお薦めできません。なぜなら、坪単価の使い方が、HMや工務店、設計事務所で違うケースがあるからです。まず、HMや工務店の場合ですが、坪数は「施工坪数」のことを示します。施工坪数とは、実質的な家の中の床面積以外にも、バルコニー、吹き抜け、玄関ポーチなどの面積も算入します。それに対して設計事務所では、実質的な家の中の床面積のことを「坪数」として示すことが多いです。

HMや工務店で40坪の家という場合は、間取りによって違いますが家の中の坪数でいうと、35坪ぐらいのケースが多く見受けられます。そして、この坪数の違いが坪単価でも誤解を生む原因になっているのです。

具体的に紹介しましょう。例えば、HMや工務店で坪単価50万円と言ったとします。そうすると先ほどの例では、建物の本体工事費は、施工坪数×坪単価=40×50=2000万円となります。それに対して、設計事務所では坪数を35坪と数えますので、坪単価は2000万円÷35=57.14万円となり、同じ総額なのに坪単価が7.14万円も高く見えてしまいます。

「設計事務所は坪単価が高い」という声をいただくことがありますが、坪数の考え方をお話しさせていただくと、納得される方も多くいます。

また坪単価というものは、前回もお伝えしましたが「建物本体」のみの金額です。それ以外にも諸経費などがかかりますので、坪単価で金額を把握するのは思っている以上に大変です。幸せな家づくりのコツは「信頼出来るパートナー」を見つけることも大切な要素ですので、誠実に対応してくれる専門家にヒヤリング形式で家の予算を組み立ててみましょう。

予算オーバーさせないための「魔法の言葉」

最後に、予算オーバーさせないための「魔法の言葉」をお伝えしましょう。それは、予算に関して専門家に尋ねる時に「私たちの財布から出ていく総額はいくらになりますか?」と言ってみてください。

こうすれば、思いもしなかった予算が別にかかるということを防ぐことが出来ます。ぜひ活用してみてください。


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