リフォーム会社時代の数千件の訪問でわかったこと
とにかくたくさんの家に伺って感じたこと。こんなキレイな家がリフォームを?
リフォームの依頼があったお客様の家に伺うのはもとより、お得意様訪問や広報活動のための訪問など、様々な訪問活動があり、トータルにすれば数千件はお伺いしたかと思います。
限られた地域ではありますが、同じ街を10年間ひたすらまわり続けるという経験を通して実感したことは、古くなって汚れたからリフォームする、まだ新しくてキレイだからリフォームしない、お金があるからする、無いからしない、そんなことではありませんでした。
リフォームした人、しなかった人
庭がきれいな家はリフォームに興味がある人が多かった。
家族と共に居る暮らしに心が向いている人や、ペットと一緒に過ごす時間が楽しい人は、「住まい」そのものに興味を持ちやすく、リフォームへの欲求が強い傾向がありました。
逆に活動的で社交家で家の外に意識が向かっている人は、「住まい」そのものに興味が無く、もちろんリフォームにもほとんど興味がありませんでした。
そしてその目線はずっと同じ方向を見続けているわけではなく、タイミングによって、状況によって、本当にくるりと180度、変わってしまうこともありました。
とあるお宅では、ご夫婦共に仕事が忙しく、家に帰っても寝るだけ、趣味は海外旅行で、お金があったら旅行へ行く。家には全く興味がない、という暮らしをされていました。ところが、仕事の配置換えで帰宅時間が早くなり、家で過ごす時間が長くなったところ、まずは奥様が家に興味を持ち始め、旅行へ行くお金で、庭にウッドデッキを作るリフォームをしました。そうしたところ、休みの日にはご主人もそこで一緒にお茶を楽しむ、そんな暮らしに変わりました。
お金を持っている人がリフォームするわけではない
お金がある人が高額リフォームをする、というわけではなかった。
家の中に意識が向いている人は、お金が無ければDIYで頑張る、そんな人もたくさんいました。
数多くの人にお会いして実感したことは、衣食住のどこに価値を置くのかは人それぞれ、しかもタイミングによって変わるということです。そして、今どこを向いているか?どこに価値を置いているかは、ある質問でわかります。
自由に使える200万円があったら何に使いたい?
200万円あったら何に使う?答えで何に価値を置いているかがわかる。
車を買うか?家に使うか?海外旅行か、それとも貯金か?教育資金か?その答えで、今どこを向いているのかがわかります。
なんとこんなアンケートを、国土交通省が本当に実施したことがあります。以前行ったリフォーム実態調査(※)の中に、「もし仮に自由に使えるお金が200万円あるとした場合、使い途として以下の中からどれをお選びになりますか。」という設問があったのです。
さてその結果はと言えば、全体の40.9%の人がリフォームなど家にお金を使うことを1位に選びました。衣食住は大事と言いつつ、住に対して価値を置いている人がこんなに多いとは、ちょっと驚いたのを覚えています。(※住宅リフォーム市場の実態把握と市場活性化に関する研究)
視線が外に向いている時は海外旅行へ行きたかった
その家で幸せな未来を作りたい、そう願った時に初めてリフォームへの意欲がわく。
その頃に200万円の臨時収入があったら、多分海外旅行に行っていたか、車を買い替えていたと思います。
その後、足を怪我して1年間、車いすで暮らす生活が、私の視線を家の中へと向けました。今、もし200万円があったら、既にスケルトンリフォーム済みの我が家ですが、更にもっとよい住環境を求めてリフォームをしたいと考えると思います。
さて皆さんは、200万円の臨時収入があったら何に使いたいですか?このページをご覧下さっている皆さんは、きっと家の中に視線が向いていることでしょう。どんなリフォームをしたいですか?
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