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デンタルケア:「歯周病と、その治療法」編(3ページ目)

『デンタルケア』の第2回目です。歯周病とは、そもそもどんな病気なのでしょう? それを放っておくと?……その他、動物病院で歯石除去をする際の、その手順の写真もご紹介しています。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

歯周病以外に、よく見られる歯のトラブル

破折(はせつ)/ラブラドール・レトリーバー、4歳
 
『デンタルケア』の第1回目でも説明したように、特に上顎の第4前臼歯は、その形状が薄く平たいこともあって、骨やヒヅメ、プラスチックなど硬いものを齧った時に、思いのほか折れてしまうことがあるので注意が必要。何か齧らせる時には、硬すぎないものを与えるように。

咬耗(こうもう)(こうもう)/ラブラドール・レトリーバー、8歳
 
逆に、テニスボールなど軟らかいものであっても長時間齧り続けていると、写真のように歯が磨り減ってしまうこともある。犬の歯は強い、何を齧っても大丈夫と思い込んでしまうのは考えものだということ。

歯だけではなく、他の病気とも大きく関係する歯周病

ここで話を歯周病にもどすことにします。「歯」という字がつくだけに、口腔内だけの問題と思われがちですが、他の病気と大きく関係していることが知られています。

「例えば、心内膜炎や弁膜症、血栓、心筋梗塞、肝炎、腎炎……などを例に挙げることができます。人の場合では、早期低体重児出産、つまり、赤ちゃんが小さく産まれてしまうというケースや、肺炎などとも明らかに関係しているという報告があります」(藤田先生)

丁度この記事を書き上げている途中で、歯周病の病原菌が作り出す酪酸が、潜伏しているエイズウィルス(HIV)を活性化させて、エイズを発症させる可能性があるということがわかった、という内容の報道がなされました(2/11付け『毎日jp』より)。これは人の場合ではありますが、細菌に含まれる毒素が口の中の炎症部分から血流に乗って全身に回ってしまうと、心臓や肺、肝臓、腎臓、その他、いろいろなものに影響を与えてしまうのです。

たかが歯、されど歯。健康にとっては、大きな役割を果たしているのが歯なのですね。

さて、次のページでは、動物病院で歯石の除去をする際の手順を見せて頂きましょう。
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