歯周病以外に、よく見られる歯のトラブル
歯だけではなく、他の病気とも大きく関係する歯周病
ここで話を歯周病にもどすことにします。「歯」という字がつくだけに、口腔内だけの問題と思われがちですが、他の病気と大きく関係していることが知られています。「例えば、心内膜炎や弁膜症、血栓、心筋梗塞、肝炎、腎炎……などを例に挙げることができます。人の場合では、早期低体重児出産、つまり、赤ちゃんが小さく産まれてしまうというケースや、肺炎などとも明らかに関係しているという報告があります」(藤田先生)
丁度この記事を書き上げている途中で、歯周病の病原菌が作り出す酪酸が、潜伏しているエイズウィルス(HIV)を活性化させて、エイズを発症させる可能性があるということがわかった、という内容の報道がなされました(2/11付け『毎日jp』より)。これは人の場合ではありますが、細菌に含まれる毒素が口の中の炎症部分から血流に乗って全身に回ってしまうと、心臓や肺、肝臓、腎臓、その他、いろいろなものに影響を与えてしまうのです。
たかが歯、されど歯。健康にとっては、大きな役割を果たしているのが歯なのですね。
さて、次のページでは、動物病院で歯石の除去をする際の手順を見せて頂きましょう。