全盛期には「全国漫才大賞」を受賞するなど一世を風靡したが今はサッパリという設定に合わせたのか、舞台上で演じられた漫才はおもしろくはありませんでした。そもそも京阪のぼり(板尾)がツッコミ、くだり(ほんこん)がボケと本来の130Rとは逆ですし。
ドラマの中の漫才
今回はプロ同士、それも本来のコンビがそのままでてくるという形だけに期待したんですが、一般にドラマの中で漫才が演じられておもしろいことはめったにありません。連ドラで漫才を中心にした作品というと1996年の『こんな私に誰がした』がありました。大地(筒井道隆)と健司(武田真治)の二人が次々と大物芸人を育ててきた伝説の芸能マネージャー・大松陽子(江角マキコ)にスカウトされるというもの。ただし肝心の漫才がおもしろくないのでサクセスストーリーにも説得力がありませんでした。
また2001年にNHK大阪制作で吉本の学校・NSCをモデルにした『グッド★コンビネーション』というのもありました。こちらはまだ学校だからおもしろくなくてもドラマは成立します。鳥羽純、安達祐実、川岡大次郎がメインでその年に始まったM1グランプリをとる直前の中川家の二人も主人公グループにいました。
単発ドラマでは同じ2001年に豊川悦司原作・演出・脚本でタイトルそのものズバリ『夫婦漫才』というのがありました。コンビを組んだのは中山美穂・甲本雅裕。
2005年には『ラスト・プレゼント』。韓流映画が原作で、堂本剛・伊藤淳史が演じる売れないコンビ、21世紀少年が「お笑い王決定戦」を勝ち抜く姿を描くドラマ。KinKi Kidsで堂本光一といい呼吸を見せる堂本剛だけになんとかしてくれるんではないかと思いましたが、やはり漫才は笑えません。
呼吸と間
なぜドラマの中の漫才はおもしろくないのか? コントだと喜劇の延長でできるから俳優でもやりやすい、NHKの『サラリーマンNEO』『祝女』は俳優メインで喜劇とコントの中間ぐらいのことをしています。落語は究極の一人芝居ともいわれ、風間杜夫が落語会してたり、三林京子が桂米朝に入門して桂すずめになったりしています。『タイガー&ドラゴン』『ちりとてちん』など落語を中心にしたドラマの中でも様になっています。
漫才ならではの相方との微妙な間、呼吸。プロのコンビも練習と経験を積まなくては身につかないだけに、簡単ではないようです。
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