隘路に小規模建物が並ぶ北口で、
いよいよ始まる区画整理
南口の広々とした雰囲気とは全く異なるのが北口。駅から階段を下りるといきなり細い商店街の中の道に出てしまい、バスターミナルはどこかと途方に暮れる人も多いはず。駅周辺は隘路が入り組んだ状態で、小さな店舗がごちゃごちゃと建ち並ぶ状態で、バスターミナルは駅からおよそ5分ほども歩かなくてはいけない、新座市栗原にあるのです。
新座市内の道路は片側1車線に歩道も整備されているものの、西東京市に入ると路地と言ってもよいような幅の曲がりくねった道になり、そこに車、人、自転車が入り混じって危険な状態。建物の密集ぶりも気になります。長らく整備の必要が言われながらも遅れていたのは、2自治体が隣接するエリアであり、整備の負担について西東京市が難色を示していたためと言われています。しかし、近年、ようやく協議がまとまり、駅前に広場を設置、駅前から新座市に向かう幅16mの道路を整備することに。2010年には東京都都市整備局で街並み再生築として指定もされています。
北口側、建物が密集したエリアの西側には細く、長く続くひばり一番通り商店街があります。ここには小麦粉文化圏であるこのエリアらしく、うどん店や焼き団子を売る店などがあり、昔ながらのおでん種屋さんなども。一通りの店が揃う昔ながらの風情ある通りです。さらに、この先にはひばり銀座商店会なる、ほとんど飲食店街もありますが、残念ながら、最近はあまり活気がありません。
また、北側、新座市内に入ると、大半が一戸建て、低層のアパートなどの住宅街、そして雑木林、畑なども点在するようになります。このあたりはバス便利用エリアです。
以上、エリアによって異なる駅周辺の様子を見てきましたが、最後に西武池袋線ひばりヶ丘の住宅事情を見ておきましょう。
大規模中心に新築マンションは豊富、
中古も築年、価格でバリエーション
まず、新築マンションですが、前述した大規模物件に限らず、周囲ではコンスタントに物件の供給が続いています。規模としてはいずれも100戸以上。価格は駅からの距離によりますが、徒歩圏内である程度の規模があれば、70平米で4000万円台後半~。今後供給される大規模物件は、駅からは離れていますが、環境、設備などへの期待から、それ以上の価格になることも考えられます。
中古では築30年以上のバス便になると70平米前後で2000万円を切る例も。建物の規模が小さい50平米前後の2DKなどでは1000万円を切る物件もあります。基本的には大規模物件主流の街のため、戸数の小さい物件はあまり評価されていないのでしょう。これが築20年で徒歩圏になると、70平米で3000万円台後半と大きくアップ、さらに築10年、徒歩圏だと4500万円以上に。2003年前後に供給された大規模マンションもそろそろ中古市場に出てくる時期で、数が増え始めると、もう少し相場が下がるかもしれません。駅近くのタワーマンションも供給され始めていますが、100平米前後で9000万円~などとまだまだ高値。立地を考えると、ここはさほど下がることはないでしょう。
新築建売一戸建ては2000万円前後から4000万円台後半が中心。土地面積100平米に建物面積90平米くらいの3LDKあるいは4LDKが多く、規模よりも駅からの距離で価格が変わります。バス便など遠めの物件であれば、かなり手頃になるはずです。
賃貸はワンルームマンションで6万円~、2DKで8万円弱、3DKで9万円前後。アパートになると、ワンルームを除き、後の間取りではマイナス数千円といったところ。ワンルームアパートは5万円以下もあり、かなり安くなります。
ところで、住まいを探す場合には所在する自治体がどこになるかが大きなポイント。西東京市、東久留米市、新座市ではそれぞれに施策が異なりますし、身近なところでは自治体の窓口がどこにあるかで利便性には差が出ます。特に小さな子どもがいる場合には保健所なども含め、利用することが多いので、所在する自治体と利用できる施設などの位置関係は事前にチェックしておく必要があるでしょう。
南北で進む開発が進めば、今後、ひばりヶ丘駅を利用する人の数も増えるはず。当然、それに合わせて街が活性化することも期待されます。今でも十分賑やかな街ですが、これからどうなるか、注目したいところです。