従来のゲーム業界(任天堂、スクウェア・エニックス)との比較
一方で、従来のゲーム会社はどうでしょう?下記のグラフは任天堂とスクウェア・エニックスの過去5年間の業績推移です。
任天堂はニンテンドーDSやWiiの販売が好調だった2009年3月期、2010年3月期の当期純利益はそれぞれ、2790億円、2286億円であり、非常に大きな利益を得ていました。
また、スクウェア・エニックスもドラゴンクエストやファイナルファンタジーの新作を発売した2009年3月期、2010年3月期の当期純利益はそれぞれ、63億円、95億円であり、業績が好調でした。
しかし、両社とも、最近の業績はあまりよくありません。その理由の一つとして、スマートフォンゲームがあります。最近のゲーム業界では家庭用ゲーム機を購入してゲームをするよりも、スマートフォンゲームで手軽にゲームをする人が増えているようです。その結果、従来の家庭用ゲーム機の会社は業績が伸び悩んでいるようです。
下記のグラフは4社の売上高営業利益率の比較です。売上高営業利益率とは営業利益を売上高で割った数値で、売上に対する儲けの大きさであり、どれだけ効率的に利益を得ているかをみることができます。
業績が絶好調だった2009年3月期の任天堂の売上高営業利益率は30.2%ですが、2013年12月のガンホーとコロプラは、それぞれ55.9%、44.1%であり、絶好調の時の任天堂よりも高い利益率となっています。つまり、スマートフォンゲームは従来のゲーム機、ソフトの販売よりも効率的に儲けている、ということが分かります。
このように、スマートフォンゲームの勢いに押されて業績が伸び悩んでいる任天堂やスクウェア・エニックスですが、今後の経営方針は少し異なるようです。任天堂は1月30日の経営方針説明会で、スマートフォンゲームを供給せず、これまでのゲーム機とソフトの販売を維持すると発表しました。一方で、スクウェア・エニックスは1月23日にスマートフォンゲームのソフトのドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト(以下、「ドラクエ」といいます。)の配信を開始するなど、スマートフォンゲームへの配信も行っています。
この違いは今後の業績にどのような影響を与えるのでしょう?