前回、硬度の基準についてお話しましたが、今回はその硬度の違いがなぜ生まれるかについてお話したいと思います。

ヨーロッパと日本の水

ノルウェー産の軟水

ノルウェー産の軟水

よくヨーロッパの水は硬水で、日本の水は軟水という話を耳にしますが、これは半分ホントで半分間違いです。というのは、ヨーロッパと一括りに言っても、ヨーロッパ大陸にある国の水がすべて硬水というわけではありませんし、一つの国の中にも軟水と硬水の地域があります。

たとえば、フィンランドやノルウェーなど北欧の国は軟水が多い地域ですし、フランスには、Volvicのような軟水が採水される地域もあれば、Contrexのような硬水が採水される地域もあります。

 

フランス産の水

フランス産の水

日本も全部の地域が軟水というわけではありません。沖縄本島の中・南部で採水される水は硬度が高いですし、大分の一部の地域や軽井沢の浅間山系の地下水も硬度が高いことで知られています。

ではこの違いはなぜ起きるのでしょうか?

 

地層の違い

まず、その水が湧出する地層に大きく影響しています。もともと地下水は、雨や雪が溶けて土にしみこみ、いくつかの地層を通過して自然に湧きでた水、もしくはポンプで取水されている水であり、その通り道にある地層がどんな成分を含むかによって、水の性質が決まります。

ヨーロッパで硬水が採水される地域の地層は、主に「水成岩」と呼ばれる海底の堆積物からなる岩石が多く見られ、その岩石には石灰質が多く含まれます。一方、日本(沖縄本島以外)は花崗岩や、火山岩類と言ったマグマが冷えて固まってできる「火成岩」が多い地質のようです(沖縄本島の中・南部は石灰岩層から形成されています)。

火成岩には二酸化ケイ素などを含んでいるものはありますが、カルシウムやマグネシウムはあまり含まれていません。石灰岩は炭酸カルシウムが主成分ですから、そういった地層を通る水にもカルシウムを多く含むようになるというわけです。


地形の違い

また地形的に、ヨーロッパはなだらかな平野が多く、水が地中に滞在する時間が長いので、それだけミネラルを溶出する時間があります。一方、日本は平野が少なく急峻な地形ゆえに、水が地中にゆっくりしみ込むことなく流れ出る、といった特性もあるようです。


実際に区別するには

ただ初めて訪れる場所で、その土地の水が軟水か硬水か、地質図や地形図を確かめるというのはあまり現実的な方法ではないでしょうから、やはり実際に飲んで確かめていただくのが早いと思います。

それはちょっと自信がない、硬水が苦手で飲むとお腹を壊すという方は、まずは石鹸の泡立ちで確認してみてください。泡立ちが悪ければ硬水であることがわかります。もっとも、最近は硬水の地域でも軟水器(硬水を軟水にする装置)を入れている施設もあるようです。

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