アップル発のWebサービス、MobileMeとは?
ブログやホームページなどによりインターネット上で文章や映像などを保存しておけば、過去の情報や知識をいつでも取り出せます。Gmailが便利なのも、場所を問わずいつでもどこでもメールを見られるようになるからでしょう。このように個人の知識や作品データなどをインターネット上に保存して活用することを「クラウドコンピューティング」と呼び、インターネットにアクセス可能なコンピュータさえあれば、どこでも自分のデータにアクセスできるようになります。
アップルのMobileMe(モバイルミー)は、そういったコンセプトに基づいたサービス。20GBのディスクスペースを持つ“iDisk”に加え、SSL暗号化によるメール送受信が可能なメールアカウント、ToDoも管理できるカレンダー、アドレスブックなどの個人情報を、異なるMac/PC、iPhone/iPod touchで統一することができます。
さらに2009年6月18日からiPhoneを登録してブラウザからiPhoneの所在地を検索するなどの新機能も追加されました。
年間契約で9,800円(税込)~となっており、キャッシュカードによる支払いとアップル製品取り扱い店でのパッケージ購入が可能ですが、この値段を高いと感じるか、安いと感じるかはMobileMeをうまく使いこなせるかどうかにかかっています。
SSL暗号化されたIMAPメール
プロバイダが提供するメールのプロトコルはほとんどが「POP3」を採用しているため、複数のパソコンで利用している場合では、片方のパソコンでメール受信してしまうとサーバーからメールが消されるため、もう片方のパソコンでメールを受信できなくなります。MobileMeで利用されるメールはIMAP形式を採用しており、メールデータをサーバーに保存する形式になっています。このため、メールを受信した後も、故意に移動・削除したりしないかぎりは他のパソコンで受信できるため、複数のパソコンで同じメールが確認できるのはもちろん、片方でメールを受信した(開封状態になった)状態も同期しますので、一度読んだメールをまちがって繰り返し読んでしまうこともありません。
ただし不要なメールは定期的に削除しないとメールサーバーの空き容量が少なくなってしまうので注意してください。
なお、MobileMeのメールは内容がSSLにより暗号化されて送信されるので安心です。
カレンダーを複数のデバイスで同期する
仕事を進めるにおいてToDo管理とスケジュール管理は必須。より高いレベルを目指すためには1つ1つの仕事を遅延無くテキパキこなさなければなりません。MobileMeのカレンダー機能を使えば、イベントやToDoを異なるパソコン同士で同期することが可能になるため、例えばMacやiPhoneでは「iCal」、Windowsでは「Microsoft Outlook」で同じスケジュールやToDoを参照することが可能。もちろんブラウザからも利用可能です。
iDiskでいつでもどこでも20GBのストレージ
MobileMeでは20GBのディスクスペースをメール保存用とiDiskに割り当てて使用します。有料のアップグレードすることで、最大60GBまで増やせます。WebDAVという方式を採用しているためか、あまり高速ではありませんが、小さいデータを共有したい場合に便利です。iDiskには「http://idisk.me.com/'アカウント名'」というアドレスでもアクセスできます。Mac OS Xならば左側にある「iDisk」というアイコンをクリックするだけです(クリックで拡大)
なにより、iDiskがあれば「iWeb」や「iMovie」からワンクリックでホームページやビデオなどを公開できます。FTPのように複雑な設定や専用ツールも必要ありません。