専門学校受験/専門学校受験の基礎知識

スキル派?資格派?IT系専門学校の選ぶ基準とは

ある専門学校への進学を選択することは、ある仕事・職業を選択することに直結します。当然のことですが、分野が違えば、選ぶ学校も変わってきますし、学校が違えば取得できる資格も違ってきます。ところがどうでしょう?“IT”という言葉のイメージは、世の中のあらゆる業界・職種に広く浸透しています。そんな“IT”関連の専門学校の選び方を考えていきたいと思います。

古堅 政義

執筆者:古堅 政義

専門学校選びガイド

 まずは2者択1-認可校?無認可校?

都道府県毎にある専門学校協会の広報誌

各都道府県に専門学校協会があります

専門学校の選択については、IT系であれ、他のジャンルであれ、最初に押さえておかなければいけない大事なポイントがあります。大学の受験選択の場合は、偏差値・知名度といった社会的な認知度が一般的な基準となっています。しかし、専門学校においては偏差値もなく、就職率というポイントはあるものの、業界、分野によっても差があり、それらを基準とすることもあまり意味をなしません。

では、第一に留意しなければいけないポイントは何かというと、認可校か、無認可校かという点です。専門的な教育をする機関が、必ずしも、認可された専門学校とは限りません。では、誰からの認可かということですが、専門学校は、所在する都道府県の知事になります。行政からの認可なので、当然、規定があります。

学校を構成する役員、学生数に合った教員の確保がなされているか、学校の敷地面積、授業時間数等、様々な点をクリアされないと認可されません。入学の際は、国の奨学金の対象ともなります。定期は、通学定期が適用されます。卒業して、企業に入った場合、短大卒と同じ待遇になります。

それらが、無認可校の場合は、通勤定期で、しかも国の奨学金を受けられない場合がほとんどです。運営しているのは、株式会社が多いため、その会社が倒産すると、ある日突然『学校がなくなる!?』こともあります。

ただし、無認可だからといって、負の面ばかり!ではなく、行政からの制約を受けずに自由な教育内容、カリキュラムを組むことができるので、より業界や社会のニーズに合った学校運営も可能です。一概に、無認可だから×ということではありません。

認可校、無認可校の次は、8分野の分類はおさえておこう!

さて、IT関係の認可された専門学校ということに絞って話しを進めます。実は、専門学校といえども、ナンの分野で認可されたかが、IT関係の学校を選択する場合には、ポイントになってきます。

では、具体的に、どんな分野があるかというと下記の8つに分類されています。

1.工業分野(マルチメディア、コンピュータ、建築、電気、自動車等)
2.農業分野
3.医療分野
4.衛生分野(栄養・調理、美容等)
5.教育・社会福祉分野
6.商業実務分野(簿記・経理、観光等)
7.服飾分野
8.文化・教養分野(デザイン、芸術、放送・演劇、音楽、公務員等)

IT系の専門学校となると【1工業分野】だけに該当するものと思われがちですが、実は、【8文化・教養分野】にも属している学校・学科があります。なぜかというと、ITというジャンル自体が、既存の学校関連の法律の枠を越えて、横断的に様々な職種に関わってきているからなのです。

具体的な職種でみていきしょう。

東京にある工業分野の専門学校のパンフレット

東京にある工業分野で認可されている学科がある専門学校です

【1工業分野】に属する学校・学科としては、プログラマー、ネットワーク、セキュリティ、システム等のエンジニア系の職種に繋がります。専門学校でいうと、いわゆる“伝統校”と呼ばれている学校が多いです。東京ならば、日本電子専門学校、東京電子専門学校、東京テクニカルカレッジあたりになります。



東京にある文化教養系の専門学校のパンフレット

東京にある文化・教養分野で認可されている学科がある専門学校です

では【8文化・教養分野】の学校はというと、Web、CG、ゲーム、DTP等のクリエーター系の職種が挙げられます。日本工学院専門学校、東京工学院専門学校、東京コミュニケーションアート専門学校とかは聞いたこともあるでしょう。

といった具合に大まかに2種類の専門職種群に分けることができます。しかし、日進月歩で、さまざまな職種が創出されているのもこの分野の特徴です。


IT系の職に就くには、意外な選択肢もある。

上記に挙げたエンジニア系・クリエーター系とは別に、穴場的な選択肢もあります。

資格取得に強い専門学校のパンフレット

東京だけでなく全国にある資格取得に強い専門学校です

実は、【6商業実務分野】に属する学校群です。代表的な学校として、学校法人大原学園や学校法人立志舎などが挙げられます。なぜ、それらのビジネス系といわれる学校が穴場かというと……。

IT分野には、情報処理に関係した唯一の国家試験“経済産業省 情報処理技術者試験”というものがあり、4つのレベルに分かれています。しかもアジア圏における統一試験ですので、外国人の受験者が多いのも特徴です。

当然、難易度も高いので、その対策と傾向は必須となります。公務員試験や弁護士・司法書士・公認会計士・税理士等のビジネス実務の資格の取得に強いビジネス系専門学校から合格者が出ています。但し、その試験に受かったからといって、エンジニア系やクリエーター系の専門職のような現場の即戦力といったイメージは薄れます。


体験入学・オープンキャンパスのパンフレット

イベント盛りだくさんの体験入学・オープンキャンパスです

最終的に、どちらの系統、分野・学科に進むかは、どの職種をイメージするかによります。しかし、先述したように次から次へと技術革新がなされ、あらたな職種が生まれている業界ですので、まめに、体験入学・オープンキャンパスに参加して、カリキュラムの編成や就職先等のチェックは怠らないようにしましょう!


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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