志賀直哉が名付け親の鮨屋
せっかくだから散歩の途中、鮨でもつまもう。神田から京橋にかけてお鮨屋さんは多い。どこも魅力的だが、ちょっとコースはそれるけど、日本橋「蛇の市 本店」へうかがうことにした。ここは、志賀直哉が名付け親だというお鮨屋さんだ。うれしいのは、ランチは千円からいただける。しかもランチにはサラダ、お椀にデザートがつく。花鳥風月と値段が違う。いちばん安い「花(Hana)」をいただくことにした。
『小僧の神様』では、貴族院議員のAがBに屋台の鮨を食べたことを報告するシーンがあり、こんなセリフが出てくる。
「(略)見ていると、みんなこういう手つきをして魚のほうを下にして一ペンに口へ放り込むが、あれが通なのかい」
鮨の食べ方は自由だけれど、やはり握るそばから次々と手でつかみ、口へ放り込むのが旨い。お鮨を堪能し、再び神田駅へ戻ろう。