散歩/散歩関連情報

志賀直哉の短編小説『小僧の神様』の舞台を歩く(5ページ目)

1920(大正9)年に発表された志賀直哉の小説『小僧の神様』の舞台となる神田~京橋を歩き、鮨屋にも入ってみた。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

小僧は鮨屋で腹いっぱい鮨を食べる

Aは子供が幼稚園になり、その成長が楽しみで、風呂場に秤(はかり)を買おうと、偶然、仙吉のいる店にやってきた。店の人に、「その小僧さんに運んでほしい」と頼み、仕事を終えたあと、仙吉にご馳走してやると言う。
神田駅周辺は多くの人が歩いている

神田駅高架下、西口は外堀通り方面、東口は中央通方面

小僧は「その辺まで一緒においで」とAに言われあとをついていく。

蕎麦屋の前も、鮨屋の前も、鳥屋の前も通り過ぎてしまった。「どこへ行く気だろう」仙吉は少し不安を感じ出した。神田駅の高架線の下を潜(くぐ)って松屋の横へ出ると、電車通りを越して横丁の或る小さい鮨屋の前へ来てその客は立ち止まった。

神田駅はこの小説が発表される前年に中央本線の駅として開業している。この文章に出てくる電車通りとは中央通のことだ。仙吉が連れていかれた鮨屋は番頭たちが話していた今川橋の松屋近くにある店だった。そこで、Aはいなくなり、小僧は一人で腹いっぱい鮨を食べる。Aが代金を支払ってくれたのだ。

ここで終わりではない。この小説、最後に意外なオチがあるのだが、それは読んでからのお楽しみということで、今回はここで散歩は終了だ。

今回のルートはこちら

【関連サイト】
ぐるなび - 日本橋 蛇の市本店

【関連記事】
「夫婦善哉」を読みながら大阪食い倒れ散歩 [散歩] All About
落語「百川」の舞台、日本橋界隈を歩いてみた [散歩] All About
  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます