気づいてしまった価値観の相違
オリジナルケーキも人気のこだわり演出
「彼女には彼女なりにいろいろこだわりがあって、以前から憧れていたという演出を盛り込んだプランを考えていたのですが、珍しく新郎が打ち合わせにいらしたときに、私もちょっと青くなる事件が起きました。
最近は優柔不断な男性も多いのですが、新郎はいかにもできるビジネスマンというタイプの方で、判断も早く、しっかりした頼れる印象でした。それで、私のほうから、これまでに彼女と決めたプランを説明し、まだいくつか迷われて決まっていないこともありましたので、彼の意見を聞こうとしたのですが、開口一番『いろいろやりすぎなんじゃない?どうでもいいものがたくさん入っている』と。
彼が不要だと言ったのは、フラワーシャワー、ケーキバイト、ブーケトス…どれも女性が憧れる演出です。もちろん演出を絞り込むことは悪いことではないのですが、それはいらない、やめにしよう、とNOを出した演出がことごとく、新婦さんが楽しみにしていた演出でして…。彼はとても現実的な考え方の人で、招待客のおもてなしになる演出に絞った方がいいという考え方。それはそれでよいコンセプトだと思いますが、これまで一緒に準備を進めてきた私には、彼女がいかにその1つ1つの演出を楽しみにして夢を描いていたかがわかります。
彼の発言を聞きながら、彼女の顔色が変わっていくのを感じ、ずっとヒヤヒヤでした。結局、私の方からもお話していくつかの演出は残していただき、無事、結婚式は挙げたものの、あの瞬間は彼女の心に残っていると思います。」
やる・やらないを判断する決断力は大事ですが、二人の結婚式なのですから、自分の意見だけを主張しすぎるのも考えもの。このケースは、「だったら、きちんと打ち合わせに来ればよかったでしょ!?」と言いたくなる気持ちだけでなく、それ以上に危険な問題をはらんでいます。いわゆる価値観の相違です。
Aさんによると、「女性は細かいこと一つ一つにこだわって、それが積み重なって結婚式ができる、逆に男性は結婚式の全体像があって、その中で必要ないものを切っていく印象があります。見ているところが違うんですね。」とのこと。
これが男女の違いなのか、個人の考え方の違いなのかはわかりませんが、こういった価値観の違いはカップルの間ではよく直面する現実です。問題はそれをわかった上で相手を思いやってその違いを許容できるかどうか。男性のみなさん、まずは彼女の気持ちを聞いてあげてくださいね。