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多様化する「戸建+α」~なぜ今?10の理由(2ページ目)

一戸建てがかつてないほど多様化しています。二世帯住宅、自宅に賃貸・店舗などプラスした併用型、古家をリノベーションしたシェアハウス、戸建賃貸。高齢者サポート付き……。かつての1世帯1住戸スタイルが大きく変容しています。その最近のトレンドを追います。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド


5.長引く不況と低収入
カネ

金融投資から実物投資へ。堅実な意識は若年層にこそ強い

グローバル経済と長引く国内不況で若年世帯の収入が伸び悩み(低くなり)、かつての世帯収入でローン返済する形から共働き・親子リレー返済は一般化。さらに家を建ててそこから本業収入のほかに収益を得られる収益型住宅も改めて注目されている。

6.金融資産から不動産資産の活用へ
リーマンショック等への反省から、景気に左右される金融投資でなく、不動産投資をと考える個人投資家や土地オーナーが増加。

7.過去最低水準金利(買い時)

こうした中長期な時代トレンドに加え、短期トレンドとしても、

8.株高による資産増加による資産活用が活発になる
9.円安による建築資材高騰の予測(早く建てた方がベターという意識)
10.地価反転の兆し

……などなど。こうした多くのトレンドを受け、また消費税反動減時代を迎え、「戸建+α」で競合差別化を図ろうとする業界トレンドがあるのは確か。「これまでと同じような戸建の営業では生き残れない。そこに新たな提案が必要」(大手ハウスメーカー関係者)。

住まい手

どんな形態でも「住まい手が真ん中」にあることには変わりない(写真はイメージ)

そこで提案されているのは、冒頭にも述べたように自宅+賃貸・店舗などの収益型、二世帯など多世帯住宅、シェアハウス、プライバシーが保たれ、駐車スペースや庭もある戸建感覚の賃貸(テラスハウス)など、実に様々な「戸建+α」の顔ぶれです。

ただ、これらの「戸建+α」で提案されているのは、単に儲ければいいという、いわゆる財テクやワンルームマンション投資などの不動産投資ではなく、あくまで「オーナー(建て主)」が真ん中にある「住まい」である点が、戸建事業者の提案らしいところかと考えます。

あくまでオーナーの快適な住まい、暮らし方をまず考え、そこに時代トレンドをプラスすれば、ペット型であったり収入型であったり二世帯型であったり、自分らしいスタイルをプラスオンしていっているようにガイドは感じており、その意味では「戸建の延長」のようなイメージがあります。

「+α」で戸建巻き返しか?

こうした意味では、同じ資金を出すならば、分譲マンションよりも土地+戸建のほうが、「住まい手が土地の上にその時代に合ったものを建てて自由に構築していける」という点で自由性が高いと言えるかもしれません。

バブル崩壊以降、「子どもが巣立って大きすぎる」「庭の手入れや掃除が大変」などと一部敬遠されてきた感のある戸建ですが、「+α」という提案次第では奪回できるかもしれません。そのトレンドをしばらくウォッチしようと思います。
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