1家族1住戸時代の終焉
家族が多様化すれば、受け皿の家も変わる
「結婚したら、庭付き戸建を建てて、そこで子どもたちを育てて、そこで老後を過ごして…」という、かつては1家族だけのために建てられた一戸建ての在り方が大きく変容しているのです。
この変容を促した時代背景的要素はいくつか考えられます。ガイドは以下10の理由を考えてみました。
1.少子高齢化
子どもを(多く)産まない世帯が増え、単身や夫婦2人など、ずっとマンション住まいでも可能に。少人数世帯化。一方で、要介護高齢者が増える中で、働きながら親の面倒をみられる二世帯スタイルも改めて定着。
2.単身世帯比率の増加
日本の世帯数は2019年にピークを迎えますが、単独世帯はその後も2030年頃まで増加し続ける。かつての戸建ターゲットであった夫婦と子は減少の一途をたどり、増え続ける単身世帯の受け皿としては、持家戸建でなく多くは賃貸となる。
3.家余りとオーダーメイド志向
空家700万戸超。1家族だけのために個別オーダーメイドされた注文戸建の市場性が低く、上物(建物)の市場価値はほとんどなし。子が相続しても建物は壊してまた別の戸建を建てることに。ならば、地方に大きな戸建を建てるよりは、人口の多い都市でコンパクトな戸建を建ててそこで副収入を得たいと考える人が増加。
4.都市への人口集中
都市への人口集中はマンション居住者を多く生み出したが、一方で「都市で小さくても賢い戸建」を建てる若年層も。地価が高いため、高度利用したほうが賢明のため、副収入の得られる賃貸や店舗・駐車場貸しなど、マンションでは手に入らない収入性も魅力に。
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