充電インフラの見通し
ゾーン普及のための適当な充電インフラとして、200V単相による普通充電器が今後増加するだろうと私は考えています。低コストで導入することができ、設置に必要な環境が既に整っているためです。近年はオール電化が進み200V電源に対応している建物が多く、また100Vコンセントのみを使用している建物でも1990年以降に建築された建物であれば単相三線式という配電方式が採用されているため、新たに200V対応コンセントさえ設置すれば、100vと比較して倍速で電気自動車の充電を行うことができます。家庭では通常の100Vコンセントを使用するか200Vコンセントを設置するかを選択することができ、またショッピングセンターや時間貸駐車場などにも多く200V充電器が設置されることでしょう。
(図)経済産業省 EV・PHV情報プラットホーム をもとに作成
(図)一般社団法人 次世代自動車振興センター 補助金情報参考に中島作成
さらにこれを受けて2013年7月29日、三菱自動車・トヨタ自動車・日産自動車・ホンダ、計4社はプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)の充電インフラを協力して整備すると発表しました。政府の補助金に加えて4社も資金を投じるというのです。
チャデモ協議会によると、2014年1月10日現在、日本における急速充電器は3169台とまだまだ普及に向けて発展途上ですが、4社は今後、協力して資金を投じることで最少でも普通充電器を8000台、急速充電器を4000台置く考えを示しています。設置場所については、47都道府県の要望を集約した後で決めるとしています。このような動きが活発になることで、今後のEV充電インフラが整っていくのではないかと私は考えます。
このようにして、やがて数を増やした充電インフラは一般ユーザーにも使用されるようになり、利便性が増した電気自動車は普及していくのです。先ほどのラインの考え方のように、各地域の充電インフラのカバーエリアは段々と大きくなり、隣の地域のインフラとエリアが重なるようになり、最終的には各エリアがそれぞれ繋がっていきます。そのようにして充電インフラが普及していくことが極めて現実的だと私は考えます。これによって地域ごとに電気自動車のコミュニティーができ、そこには新ビジネスの可能性も秘められています。
以上から私は、実際に必要とされ、利便性を高めるための充電インフラの普及のために中速充電器に注目を集めています。