実の親子共演による成り上がり実話
『幸せのちから』(2006年度作品)高級医療機器のセールスマンの主人公クリス(ウィル・スミス)が、妻に去られ、家賃滞納で家も追い出されながらも、愛する息子のために一流証券会社の正社員のチャンスに望みを懸ける物語。
こちらも『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のジョーダンと同じように、ゼロから億万長者に上り詰めた男の実話ですが、『幸せのちから』の主人公はジョーダンとは正反対で、子供思いの良い父親のように描かれています。しかし、二人には最大の共通点があるのですね。それは、株の仲買人で億万長者に化けたというところ。こちらの話も80年代が舞台。この時代、アメリカの成功者はみんな株がらみなのですね。
この映画の主人公は、タクシー踏み倒したり、家賃滞納したりと、小さな悪事はあるのですが「息子のために……」という大義名分が、彼をいい人に見せています。でも正直、父子でホームレスになって、不潔な場所で寝泊まりしている姿を見ると「息子が病気になったらどうするのだろう」と、気が気じゃありませんでしたよ。息子も巻き込む強引さは理解しがたいけど、人生ってドン底になっても諦めなければ、やりたいことと、運命の歯車がピタっとはまる瞬間があるのだと、見る人に勇気を与える映画でもあります。主人公の諦めない、何が何でも叶える! という前向きな気持ちは、成り上がりに絶対必要なのでしょう。
監督: ガブリエレ・ムッチーノ
出演: ウィル・スミス、ジェイデン・クリストファー・サイア・
スミス、タンディ・ニュートン、ブライアン・ホウ、ジェームズ・カレンほか
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