(エコ住宅を作る上で知っておきたい5つの視点 その3)

エコ住宅をつくる上で知っておきたい5つの視点 ですが、これまで
その1 「エコに対する世界基準の視点」 
その2  「光熱費が生活を大きく圧迫する可能性を知る」
を手に入れていただきました。今回は視点その3「環境負荷が少ないことが重要」です。 

視点3 環境負荷が少ないことが重要

■環境負荷が地球に及ぼしている影響をご存知ですか?
国際エネルギー機関であるIEAは、「今のCO2排出量の現状を変えないと、地球の気温が3.6度から5.3度上昇する可能性が高い」と指摘しています。では、温度上昇がどのように私たちの普段の生活に影響していくのでしょうか?
太陽は自然のエネルギーの象徴

孫の代に現在の自然の恵みを健全に伝承するには、身近な問題としてエコを捉えることがとても重要



地球温暖化白書では、このまま地球温暖化が進むと2100年までに約50cmの海面上昇を起こすと発表しています。また文部科学省が中心に行った「21世紀気候変動予測革新プログラム」では、風速67m/s以上の台風が増える(※伊勢湾台風並みの規模、日本にはこれまで3度しか来たことがない台風規模)との予測も出ています。

2100年と言えば、大人の私たちには実感しにくい近未来ですが、私たちの子供や孫の代には、直接影響を及ぼすと考えると、より身近になるかも知れません。

■私たちが家を通じて身近なところで出来るエコとは?
2013年1月に、ドイツにエコ建築の視察に行きましたが、その時エコを考える上で、「孫の代に誇れる環境を残す」ということがとても重要だと実感しました。エコに関してはいろいろな視点がありますが、この「孫の代に誇れる」という視点を根底におきながら、取り組んでいくことが大切になるでしょう。

これらの視点から考えると、エコ住宅を造る上のポイントとして「光熱費がかからない家にする」というものも近視眼的には大切ですが、合わせて「地球環境にどれだけ優しく家づくりが出来るか?」という視点がより重要になってきます。
そして、後者の視点は「一次エネルギー」「二次エネルギー」というもので算定できます。

■一次、二次エネルギーとは?
一次エネルギーとは、エネルギーを生み出す資源である原油、天然ガス、石炭などの化学資源や原子力発電の燃料としてのウランなどエネルギー資源のことを言います。一次エネルギーを元に、ガソリンや灯油、電気、都市ガス等といった実際に直接活用している二次エネルギーが作られます。基本的に、CO2の排出は、二次エネルギーを使う場合に発生するものと、そのおおもとになる一次エネルギーを二次エネルギーに変換するときに排出されるCO2量の二つで算定することが可能です。

■環境負荷を少なくするには、一次エネルギーの消費を抑えることが重要
環境負荷が少なくするためには、一次エネルギーから二次エネルギーにどれだけ効率よく変換出来るかがポイントになり、それを換算係数で示すことができます。
この数字が小さければ小さいほど、変換効率が良くなることを示しています。ここで興味深いのは、ガスの変換効率が、1なのに対して、電気のそれは2.71だということ。これは、同じエネルギーを作りだすのに、ガスに比べて電気は、 2.71倍一次エネルギーを消費していることを示しています。

■電気は作りだすのに一次エネルギー消費量が多い貴重なエネルギー
電気は他の二次エネルギーと比べて造り出すために、多くの一次エネルギーを消費していることが分かります。海外では「電気でお湯を沸かすのは、電気のこぎりでバターを切るようなものだ」と比喩でたとえる程です。先程の話からも分かるように、お湯を沸かす時に、電気はガスの2.71倍の1次エネルギーを消費するからです。それだけ、電気は作りだすのに貴重なエネルギーだという事です。

日本では、スマートハウスなど、いかに電気を賢く活用できるかの研究が進んでいます。しかし日本で、電気を使っているものには、冷蔵庫やTVなどの家電、照明、空調、給湯、コンロなどがあり、海外の先進国と比較すると、空調、給湯に電気を使用している比率が高いようです。さらに一歩、電気の活用法を深めるのなら、「根本的に電気を何に使うか?」を探求するとより省エネにつながるでしょう。そのあたりの詳細はその5でお伝えします。

■将来的には、電気に依存しないバランスが大切
根本的な問題として地球環境に寄り添うよう、原発に依存しない方向性を目指すなら、再生可能エネルギーの利用率を高めるだけでなく、電気に依存しないエネルギーバランス&政策が重要です。そう考えると、高効率のエアコンや給湯機の比率が高くすることで電気の負荷は下げられる部分はありますが、省エネの視点から見ると根本的な依存度を下げることは出来ません。

それに対して、ドイツなどでは、地域暖房というものが普及してきています。地域ごとにボイラーなどでお湯を造り、そのお湯を各家庭に供給することで、お湯をそのまま使ったり、お湯を活用した輻射熱暖房に活用したりなどして、電気への依存度を下げています。日本でも、このような動きが徐々に出てきていますが、まだまだ規模は小さいです。再生可能エネルギーの普及と合わせて、地域暖房のようなものが普及していくことが日本でも電気への依存度を下げる1つの方法になるでしょう。