併用住宅は戸建の定着トレンドに
土地の有効利用が叫ばれてから併用住宅は1つの流れに
では、なぜまた最近盛り上がっているのか。ガイドが業界を見聞した中からいくつかのポイントを挙げてみたいと思います。
理由1: 地価上昇に立ち向かう家
長らく続いた右肩下がりの地価が、アベノミクスで底を打ちつつあるという報道が各方面で流れました。たとえば野村不動産アーバンネットの調べによると、2013年1-12月の年間ベースで住宅地は「値上がり」は50.7%(前年42.1%)で、「横ばい」が37.1%(同35%)で、前年より確実に上昇傾向に。 そもそも何故「地価上昇トレンド」が併用住宅建築を後押しするのか。それは後述する相続税ともからみますが、税金が増えるからです。地価が上昇すれば土地分の固定資産税が増えるほか、相続で土地を譲り受ける際にも評価額(固定資産税評価額)が跳ね上がります。地価上昇は個人の力では止められないにせよ、ならば「住むだけの家」よりは「儲ける家」を建てて増税分をそこでまかないたいというのは、ごく自然の流れでしょう。理由2:賃貸併用は相続税節税に
併用住宅でポピュラーなのは賃貸併用(写真はイメージ。積水ハウスの賃貸併用マンション「ベレオ」)
5000万~1億円の場合…30%
1億~2億円の場合…40%
2億~3億円の場合…45%(今回改正でここが増税)
となりますが、親が住んでいた土地や建物が広かったり、いくつか畑をもっていたりすると、意外にもこの額に達してしまう人も少なくないことでしょう。
だからこそ、関係業界ではちょっとした騒動になっているわけですが、賃貸併用住宅を自己所有地の土地に建設する場合、貸家部分の面積比に応じて『貸家建付地評価減』という特典受けられるのです。具体的には、
●自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合) 時価の5~7割程度が目安
●自用家屋の評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)自用家屋の6~7割程度が目安
と、かなりの評価額引き下げにつながるほか…、
次ページに続きます。