プラス0.4%を試算してみよう
特例措置で100%融資を利用する場合は、金利が上乗せされます。上乗せ幅は、0.4%前後で調整中ですが、0.4%というと先に紹介した「フラット35」Sの金利優遇幅よりも大きく、インパクトがありそうです。試算してみましょう。【試算にあたっての前提条件】
- マンション価格:3000万円
- 「フラット35」金利:1.80%(上乗せ金利0.4%)
- 35年・元利均等返済・毎月払いのみ
0.4%上乗せされた場合の比較表
いかがでしょうか。金利が0.4%上乗せされ、借入額が300万円増額すると、上記の試算条件のもとでは、毎月返済額が15,791円、総返済額が363.3万円、とそれぞれ増額となります。
上記プランがぴったりするのは、どのようなタイプでしょうか。
「購入時に支払える頭金はないけれど、毎月の家計収支には余裕があるので、毎月返済額が1.5万円ほどの増額になっても大丈夫」。さらに、「今までは貯金ができなかったけれど、これからは住宅ローン返済とは別に将来に向けての貯蓄もしっかりとできるはずなので、返済期間35年間で(例1)より多く支払う363万円は、貯蓄ではなく住宅ローン返済に回して大丈夫だし、それでよい」。と納得できる場合などがあてはまります。さて、あなたはいかがでしょうか。
民間金融機関では、100%融資が主流
住宅ローンの借入者が増えることで貸し倒れリスクが高まり、住宅金融支援機構の財務内容が悪化することを考慮し、政府は支援機構への出資金を積み増すために今年度補正予算案に約40億円を計上する方針です。政府ですら(?)リスクに備えるのですから、当の本人であるあなたもリスクシナリオを描き、家計破たんしないための対応策や安全策をプランニングすることが大切です。なお、「フラット35」を現行制度のまま9割までの融資を受ける場合は、通常の金利が適用されます。
一方、民間金融機関では100%融資もあり、諸費用分まで含めて融資するオーバーローンのようなものもあります。100%融資にこだわるのであれば、民間金融機関の住宅ローンが有力候補です。現在は金利水準が低く、将来にわたって無理なく返済可能であれば、全額を民間金融機関の住宅ローンで借入れるという選択肢も十分検討の余地があります。
その際、民間金融機関の変動金利タイプの住宅ローンを利用する場合は、将来、金利が上昇してきた場合のリスクシナリオ事前に描いておき、「何%上がってきたら変動金利を固定金利に変更する」「何年後に何%金利が上昇すれば、○万円を繰上返済する」など、行動計画を明確にして、対応策をプランニングして備えておければ安心です。プロの力を上手に使って、将来にわたって安心できる自分予算(R)を是非プランニングしてください。
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