「いくらのマンションが買えますか」、マンション購入ビギナーの質問で多いのは、やはり購入予算に関するもの。購入予算は、頭金の金額と住宅ローンの借入額との合計で構成されるため、住宅ローンをいくら借りるのか、頭金をいくらにするのかは、重要なプランニングポイントです。

シングルの購入相談では、全額をキャッシュで準備して購入するケースが意外と多いのですが、それでも購入者のほとんどは住宅ローンの利用者です。頭金がゼロ円の場合は、住宅価格の100%が住宅ローンの借入れとなり、頭金を住宅価格の40%にすれば借入額は60%でよいこととなります。

hikari

自分らしい豊かな暮らしのために、最適な住宅ローンプランニングを

やっかいなのは、頭金は出したくない、出せない、という場合に、住宅ローンが100%の融資をしてくれないケースです。ユーザーの中には、「頭金がないので、購入は先延ばしだ」とあきらめてしまうケースがあるかもしれません。今回の国土交通省の決定は、「フラット35」の融資限度額を住宅価格の9割から10割に引き上げようというもの。消費税増税もあり、購入意欲の減退を防ぐことが狙いです。選択肢が増えるのは嬉しいけれど、多くの選択肢から最適プランを選ばねばならないという面倒さも残ります。

新聞に掲載された情報を元に、考え方や試算をしてみましょう。


「フラット35」とは。現行制度の内容を確認しよう

・長期固定金利
住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供しているのが、「フラット35」です。その特長は何と言っても「長期固定金利」。35年といった全返済期間を通して金利が変わりません。返済額を当初に確定できるため、変動要素が多い家計管理においては、非常に心強い味方です。

・返済期間に応じた金利設定
返済期間が20年以下と21年以上で、適用金利が異なります。例えば、2013年12月時点では、返済期間21年以上35年で1.80%。返済期間20年以下ならば、1.51%。(いずれも12月度の最低金利)です。要するに返済期間を短くできれば、それだけ支払利息の総額を抑えることができるのです。

・「フラット35」Sの条件に該当すれば金利優遇も
「フラット35」を利用する場合、住宅ローンを利用する当該住宅が、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合している必要があります。住宅の構造や性能が融資要件となるのも「フラット35」の特長です。そして基準適合の可否は「適合証明書」で確認できます。さらに、省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅を取得する場合は、「フラット35」Sを利用でき、「フラット35」の借入金利を一定期間にわたって0.3%引き下げることが可能です。

・その他の条件は、サイトで確認を
金利に関わる条件の主なものを前項にて3つあげましたが、他にも保証料が不要だったり、繰上返済の手数料が無料だったり、と様々な特長があります。詳細は「フラット35」のサイトにてご確認ください。
www.flat35.com/


来年度より「フラット35」100%融資へ

以前より国土交通省にて検討されていた、「フラット35」の融資額の上限(現行9割)をなくす案が、特例措置として来年度に実施されることとなりました。ただし、貸し倒れのリスクを考慮して、全額融資の際は通常より高い金利を適用するという条件付き。金利の上乗せ幅は0.4%前後で調整されるようです。

特例措置は、1年間程度の期間限定となる予定です。「頭金のない個人が住宅を買える制度を整え、来春の消費増税後の住宅販売を下支えする」ことが狙いですが、「フラット35」の融資上限をなくすことで、無理な住宅ローンの利用者が増えてしまうことは目指す所ではありません。

利用者であるあなたも、住宅ローンを利用して住宅を購入することが目的ではなく、新しい住宅で自分らしい豊かな暮らしを送ることが望むところではないでしょうか。住宅ローンが家計負担となって、暮らしを圧迫することのないよう、中長期を意識した無理のない返済計画を立ててください。プランニングの際は、以下の二つを自分に問いかけてみてください。

◎手元資金があってもなくても、頭金ゼロ円で100%融資を受けることについての自分のメリットを明確にする
◎金利が上乗せされて、毎月返済額や総返済額が増額しても、将来にわたって無理なく返済できる見込みを確認する

※次頁では、0.4%上乗せされた場合と通常の場合とを比較します。