今や子供たちにとって保育園は「第二の我が家」
報道向け内覧会で園の趣旨と教育理念を説明するコビーアンドアソシエイツ小林社長
創立当初から「住まいは子育てのために」という信念を掲げてきたミサワホーム。住宅が担う子育ての役割「住育」について長らく研究してきた成果を商品開発に反映し、最近では「GENIUS Link-Age・with kids(ジニアス リンケージ・ウィズ キッズ」(08年)のほか昨年には「SMART STYLE-ZERO(スマート スタイル ゼロ)」まで3年連続でキッズデザイン賞を受賞するなど、子育て住宅に注力してきた住宅企業の一つです。
その同社が昨年末、保育園事業者「コビーアンドアソシエイツ」との初のコラボレーションを発表。これは同社が昨春発足させた「ライフサポートプロジェクト」において、高齢者向けマザアス事業とともに、保育事業を重点施策に位置付けた一環の新規事業。その保育コラボレーション事業の第一号となる全面リフォームを手掛けた認可保育園舎「コビープリスクールかみめぐろ」が今春竣工、報道陣に公開されました。
入口を入ると園児たちが自分で制服をかけるクロゼットスペースが。自立性を重んじる
1948年から永年の保育運営実績をもつコビーアンドアソシエイツは、縦割り保育(異年齢児交流保育)と横割り保育(年齢別保育)を融合させた「マトリクス保育」を独自に考案したとして知られ、食育を重視して子供たち自身が育て収穫した野菜を使用するといったユニークな保育も導入しています。そんな教育理念にミサワホームのプロジェクトチームが共鳴し今回のコラボが実現したとか。
調理場はガラス越しに子供たちが覗く食育の場
ガラス越しの食堂スペース。調理する姿や食材が見られるのも食育
「コビープリスクールかみめぐろ」では、目黒区という都市型保育だからこそ光・音・自然との共生に重きを置いた設計プランに。例えば食育シーンであるキッチンはガラス張りにして、子供たち自身が育てた食材などがどう調理されるか、いつでも遊び感覚で見られるようオープン設計に。また従来の「雑然とした保育園イメージ」を払拭するため、インテリアや内装デザインもこだわり、靴や日用品などはすべて造作家具で壁面の中に入れてスッキリ。壁の至る所に本物の緑があり、照明も光合成ができるよう配慮しています。
子供たちの五感を刺激するため、床はあえてツルツルにしていないウヅクリ素材仕上げのフローリングに。カーペットも畳に近いウレタン仕様で、食べこぼしやトイレの失敗などで汚れてもそのシートだけを水洗いできるものに。「ツルツルのフローリングは実は乳幼児がハイハイしにくいといった面もあります。あえて木や畳などの素材感を残すことで、子供たちは程よい触感を素足を通じて感じることができます」(コビーアンドアソシエイツ小林社長)。