ドアのアンダーカットは、比較的新しい家に多い
このドアのアンダーカットは、平成15年に24時間換気が義務付けられて以降に建てられた、比較的新しい住宅(戸建・マンション共)で多く取り入れられています。24時間換気で一番多く採用される第三種換気法を取っている家の中の空気は以下の【図1】のように流れています。
●リビングや個室の給気口から取り入れられた新鮮な空気⇒
●ドアの隙間(多くがアンダーカット)部分から廊下に流れる⇒
●最後に洗面所など湿気の多い場所に設けられた排気口から外部へ排気
【図1】一般的なマンションの住戸内の空気の流れ
換気方法や24時間換気について、詳しくはこちらをご覧ください。
アンダーカットでの事故を防ぐために
高気密化が進む中、家庭内で計画的に換気を行うことは、ニオイやシックハウス、カビ・ダニなどを抑えるために大切なことです。「アンダーカット」のような空気の通り道は必要である、と言わざるを得ません。しかし、アンダーカットを設けなくても空気が流れる道を作る【ほかの方法】を選択することはできます。
【ほかの方法の例】
■引き戸、折れ戸、ふすまを採用する
■換気ガラリ付き、スリット付きのドアにする
引き戸、折れ戸、ふすまに関しては、開き戸よりも気密性が高くないため、トイレや洗面所など換気量がたくさん必要な室以外であれば、アンダーカットのような隙間を設けなくても済む場合があります。
また、ドアに換気ガラリやスリットが設けてあれば、アンダーカットは必要ありません。そういったドアを採用することでアンダーカットに指を挟む事故を回避することができます。
さらに居住性を高めるために
幼児の指を挟む事故の可能性のほかにも、ドアのアンダーカットには「寒い」「ホコリが入る」といった欠点があるようです。確かにアンダーカットはドア最下部にあるため、ここから入った空気は、室内で座っている人を直撃し、立っていても足元に当たるため、寒く感じることが多いようです。そういった欠点も、上記にあげた【ほかの方法】を採用すれば緩和されるでしょう。建具を選定するときはそのような点にぜひ気をつけて選ぶようにしてください。
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