スマートタウンを住まいの質の部分で見てみると
エネルギーの使いすぎなどを色や音声で知らせてくれるコミュニケーションロボット。このような省エネ行動を促したり、関心を持続させるツールもスマートハウスの世界では生まれつつある(クリックすると拡大します)
・家事動線
キッチンから洗面所、浴室など水回りの動きやすに注目しましょう。この動線が動きやすいと、家事にかかる時間が短縮され、主婦の仕事量を大幅に軽減できます。ついでに収納量・使い勝手もチェック。
・ユニバーサルデザイン
様々な箇所にユニバーサルデザインは必要なものですが、中でも階段に注目。急な角度ではないか、踏み板の大きさなどのほか、手すりが踊り場にまで設置されていると非常に良心的。生活者視点で家づくりが行われていることが確認できます。
・2階の部屋の可変性
あらかじめ仕切られているのではなく、子どもの成長や家族のライフスタイルに合わせて、容易に間仕切りを変えられるように配慮されていると大変良いと思います。
このほか、私は2階のトイレにも清掃道具やトイレットペーパーの収納場所があるかなども、私はチェックポイントにしています。「スマートハウスとは関係ないんじゃない」と思われるかもしれませんが、住まいは省エネ性より重要なことがあります。
何より安心・安全で、使い勝手が良く快適でなければなければならないのです。一般の分譲住宅選びにも当てはまることですから、是非、皆さんもこのような視点を持っていただければいいと思います。ちなみに「スマエコ・シティつくば研究学園」の住戸は全てこのポイントをクリアしていました。
景観や資産価値の維持についての配慮もチェックポイント
さて、街づくり全体についても見てみましょう。この分譲住宅地では大きく二つポイントがありました。一つは電柱の地中化で、もう一つは景観協定の策定です。まず前者についてですが、電柱の地中化、つまり電線がないことは街の景観の美化につながります。さらに、電柱が地中化されていることにより災害時に電柱が倒壊したり断線する危険性が大きく減少します。電柱が倒れ電線が垂れ下がると避難が難しくなりますから、そうした意味でこの分譲住宅地は災害時の安全対策についても配慮が行われているということで、それも街の価値の一つになります。
もう一つの景観協定は、緑などの植栽と住宅が一体となり連続性を持たせる植栽計画のことをいい、この協定がある分譲住宅を購入する人は、この協定を遵守することを求められます。狙いは街の景観を守ることと、街の資産価値を維持することです。
要するにスマートタウンであれ一般的な分譲住宅地であれ、最終的に大きな違いが表れるのはどれくらい住まいと街の資産価値について配慮されているかということで、そこに配慮のある分譲住宅地は総じて良質なものと判断できるということになります。
分譲地の資産価値の維持には、そこに住まう人たちの意識の高さはもちろん、そこを販売した事業者(ハウスメーカーなど)の関わり方が重要なポイントとなります。ですので、その事業者が過去に販売した分譲住宅地を訪れて、資産価値の維持に関する取り組みを確認して検討することも、皆さんには是非お勧めしたいものです。
注文住宅、分譲住宅に関わらす住まい選びの際には、価格や立地、外観、部屋の数、設備など目に見えやすいポイントを重視しがち。今回指摘したポイントを重視すると、皆さんはより満足度の高い住宅取得に近づけるのではないかと思います。