女性誌に出てくる街は大体、家賃が高い

表参道の並木

原宿駅前にある明治神宮の参道ということで名付けられた表参道。駅の脇には大きな灯篭がある(クリックで拡大)

賃料、住宅価格と知名度、ブランド力は大体の場合に一致しています。特に女性誌がファッションと絡めて取り上げるような街、たとえば表参道(東京メトロ銀座線その他)、自由が丘(東急東横線)、吉祥寺(中央線その他)などは周辺相場よりもかなり高めですし、銀座(東京メトロ銀座線その他)に至っては少し離れた築地などは別として、ほとんど住宅はないとも言えるほど。

 

これは街に限らず、路線、自治体でも同様で、同じ新宿駅から郊外に向かう路線でも中央線よりも小田急線、小田急線よりも京王線と知名度が低くなるほど、賃料、住宅価格は下がりますし、中央区、渋谷区よりも、北区、足立区のほうがはるかにお手頃。住宅支出を抑えたい人なら、自分が知らない街、路線、自治体で探したほうが効率的かもしれません。

東京スカイツリー

東京タワーと異なり、高さがある分、どこからでも見えてしまうのが東京スカイツリーの良いところでもあり、希少性が言いにくいところでもあり(クリックで拡大)

ただし、雑誌、テレビによく出てくる街でも東京スカイツリーのある押上(東京メトロ半蔵門線など)や浅草(東京メトロ銀座線など)など、首都圏の東側にある地域は比較的安め。いわゆる下町と呼ばれるエリアで、歴史としては古いものの、その後、東京の重心が西側に移ってしまったため、交通、防災その他の面でやや遅れを取ってしまい、それが家賃、住宅価格にも反映されているのです。

 

また、東西だけではなく、南北でも価格差があります。分かりやすいのは東京都心部を東西に走る中央線。同じ都心部といっても中央線の南側にある六本木(東京メトロ日比谷線など)のほうが、北側にあり、かつ山手線駅である巣鴨よりも高いのです。詳細な背景、東西南北のざっくりした区分については以下の参考記事をご覧ください。

参考記事:図と歴史で読み解く首都圏の住宅価格

人が多い、電車が混んでいる

山手線

混雑度が高いのは山手線などのJR、ついで郊外へ向かう運行距離の長い私鉄、都心部の地下鉄など。都営交通は比較的空いている(クリック拡大)

確かに首都圏の通勤電車は他エリアの同じ時間帯に比べ、混んでいます。数年前に比べれば改善された沿線もあるものの、残念ながら、座って通勤、新聞を広げて読めるような路線は希少です。どうしても嫌だというのであれば、始発電車がある駅、比較的混雑度が低い路線を選ぶしかないでしょう。

 

また、田園都市線の朝のラッシュ時の最混雑車両は、4号車、5号車、8号車と改札への階段に近い車両であるなど、乗り降りの楽さが混雑度を左右することがあります。これについては、最近、混雑緩和を狙ってPRしている路線もあり、そうした車両を狙えば多少は楽に通勤できます。ただ、その分、乗換えなどに余裕を持っておく必要があり、少しでも長く寝ていたいか、混雑をできるだけ避けたいかの二択。どちらがましかの選択というわけです。

参考記事:終電、混雑度……通勤がラクな沿線は?

東京に住んでいても路線の複雑さには泣かされている人多数

大手町駅

ひとつの駅に複数路線が乗り入れ、しかも、駅間に距離があり……と、都心部の駅は複雑怪奇(クリックで拡大)

世界に冠たる首都圏の鉄道、地下鉄網の複雑さは東京に住んでいる人も泣かされています。特に最近は延伸、乗入れで複雑さが加速。初めての東京で迷ったとしても、大半の人は似たような状況にあるはずですから、気にすることはありません。

 

ただ、早く慣れたほうが便利ですから、そのためにはスマホ、パソコンで経路検索をするとしても、それを地図で確認する癖を付けるのが早道。経路検索は点と点を結んだものしか示してくれませんから、面を理解するには不向きなのです。といっても、わざわざ地図を買うのも嫌という人は、駅や商業施設などに置いてあるフリーペーパーで地図が添付されているものがあるはずですから、そうしたものを入手、地図を切り取って使うのが手。鉄道、地下鉄の駅にある沿線ガイドも役に立ちます。

ちなみに東急沿線のように、防災情報を付加したガイドマップを配布している路線もあり、こちらも便利です。

絶対安全な街は東京だけでなく、日本中どこにもない

安全

夜道の安全と我が家の安全には多少違いがある。不動産会社ではどちらを重視しているのかをきちんと伝えよう(クリックで拡大)

東京に人が多いのは確かですし、犯罪が少なくないのも確かですが、残念ながら東京以外の場所でも絶対に安全と言い切れる場所、街は非常に限られます。自分の身は自分で守るしかないのです。とはいえ、他の場所よりは安全な場所というように考えれば探す手立てはあります。ひとつは各自治体の警察が出している統計などを参考にすること。たとえば、東京都の警視庁では事件事故発生状況マップを出しており、同じ区内でもひったくりが多い場所、少ない場所、発生地点などが分かるようになっています。

 

また、現地を下見する場合にはまず、駅のトイレをチェック。周辺に公園があったら、そこのトイレ、コンビニがあったらそのごみ箱も同様に見てみてください。総じて、ゴミが散乱していたり、出すべき日でない日にゴミが捨てられている街は治安が悪いことが多いのです。これは街に限らず、住宅の場合も同じ。見た目の悪い街、物件は避けたほうが無難です。

コンビニが1軒あるくらいでは便利とは言わない

コンビニ、スーパーなどが少ない地域に居住していた人からみると、徒歩圏内にコンビニがある場所は便利と思えるかもしれませんが、コンビニが1軒あるくらいで便利な場所と思って部屋を決めてしまうのは早計というもの。首都圏では駅周辺に10軒近くのコンビニがひしめく場所などもあり、利便性は桁違い。特にひとり暮らしの女性であれば、徒歩数分圏に複数のコンビニがあり、周囲に生活パターンを知られないよう、使い分けられるのがベストです。

また、コンビニ、スーパーだけでなく、商店街もある街のほうが物価が安い場合が多いので、生活費を安く抑えたい人にはお勧め。商店街で会話をしながら買い物すれば、その街の情報も得やすく、溶け込みやすくもなります。

ワンコインランチ

全国統一価格のチェーン店よりも、個人営業の店のほうが価格の可変性が高く、お買い得になることも(クリックで拡大)

ちなみに物価の安い街を選びたい時には、単身者ならランチあるいは持ち帰り弁当の価格を、カップルなら生鮮食料品の価格をチェックしてみましょう。これまでの経験では、500円、つまりワンコインでランチが食べられる街は総じて物価が安いことが多いようです。

 

参考記事:首都圏勝手に選ぶ、行ってみたい商店街5選
参考記事:料理好きにお勧め、生鮮食料品の安い街

地震が怖い人が選ぶべき場所は?

丘陵地

坂の多い場所は台地、丘陵、平坦な場所は低地と考えても良い(クリックで拡大)

防犯問題同様に、どこなら絶対に安全とは言えませんが、比較的安全性の高い場所はあります。たとえば東京都であれば都下の多摩エリアはその名も多摩丘陵という高台になっており、地盤は固いと言われます。それより都心部の多摩川と荒川の間は武蔵野台地で、ここも関東大震災の被害が少なく、それがために大震災以降に発展したエリアです。

 

このように、神奈川県であれば下末吉台地、埼玉県であれば大宮大地、千葉県であれば下総台地(北総台地とも言う)があるなどと、都県ごとの地形を知っておくのが安全確保の第一歩。ただ、台地上にも川が削った低地があるため、台地上だから安全と思い込むのも逆に危険です。台地、丘陵と呼ばれる地域だとしても、自分が選ぼうとしている場所が周囲から見て低くなっていないか、底に当たらないかなど、現地の高低差も意識、危険がないかを考えるようにしてください。

また、首都圏では細い道路に小規模で古い木造住宅が密集する木造住宅密集地域を始め、災害時に逃げにくい場所がまだ少なからず残されています。こうした場所では住まいが無傷だったとしても、火災が起きたり、避難の際に支障があったりする場合もあり、住まい周辺のチェックも重要です。

参考記事:安全な街選びの第一歩、首都圏の地形を知る
参考記事:災害に強いのは燃えない、逃げられる街

東京の街だって、もちろん眠る

新宿の夜景

繁華街以外でも24時間営業のスーパー、飲食店がある街も少なくない(クリックで拡大)

テレビなどで「眠らない街東京」あるいは「不夜城新宿」などという言葉が出てくるからでしょうか、東京の街は夜中もうるさい、人が動いているという印象を持っている人もいるようですが、もちろん、それは間違いです。

 

新宿でも歌舞伎町その他繁華街には朝まで営業あるいは24時間営業という店があり、そのエリアは確かに不夜城かもしれませんが、新宿区内にもごく普通の一戸建てが並ぶ場所もあります。マスコミから得た知識あるいは駅前の印象だけで考えてはいけません。逆に郊外なら静かかと思うと、夜中に走り回る時代遅れの人たちがいる地域もありますから、油断は禁物です。

ちなみに静かな夜が過ごせる街を選ぶためには夜10時時点の静けさを確認してみること。この時間であれば、商店街ではアルコール類を中心とする店以外は閉まり、楽器可のマンションでもこの時間以降は禁止とされていることが多いので、この時間以降にうるさい街は夜中もうるさい可能性大なのです。また、夜中に騒ぐ人たちの有無については街中に掲示された町会、自治体などの掲示板の注意書きなどをチェックすると分かることがあります。

子育て環境は自治体でかなり異なる

子どもの遊び場

自治体のサービスだけでなく、公園の分布にも偏りがあり、子どもの遊び場が多い街、少ない街があるので、気になる人は必ず地図をチェック(クリックで拡大)

首都圏独自だろうと思うのは、自治体のサービスのバリエーションが豊富なこと。関西でも多少の自治体差はありますが、首都圏ほどではありません。たとえば、子育て支援でも乳幼児期に手厚い自治体もあれば、教育に力を入れている自治体、独自制度や科目を設けている自治体などとあり、道1本挟んで助成額が異なることもしばしばあります。特に子ども、健康、高齢者に関するサービスは差が出やすいので、ファミリーの場合にはできるだけ、事前調査をしたいところです。

 

具体的には自治体のホームページでサービスの有無、内容などを調べてみること。その際、隣接する自治体でも同じキーワードで調べてみて、比較してみると、その自治体の住民サービスへの姿勢が分かります。当然、分かりやすいホームページを作っている自治体ほどサービスが充実している可能性も高いようです。

また、一部自治体では家賃の助成、住宅取得時の助成なども行っていますから、そのあたりも調べてみると良いでしょう。

参考記事:子育てに良い街 勝手に選ぶベスト10

 
最後にランダムにいくつか挙げておきましょう。

東京にも緑とか、空がないわけではない

水車と田んぼ

豊島区雑司が谷近く。住民の人が趣味で作ったらしい水車と田んぼ。このくらいなら都心近くでも見られる(クリックで拡大)

エリアによって差はありますが、東京都心部にも日比谷公園、新宿御苑、外苑その他公園や緑地などはあり、決して緑のない場所ではありません。山手線内では難しいにしても、ターミナルから10分、15分離れれば、畑くらいはあります。ただ、星が見えにくいのは確か。周囲が明るすぎるからか、北斗七星が全部見えません。

 

駐車場だけでなく、駐輪場も有料

駐車場が高いとはよく言われますが、駐輪場も有料です。車はもちろん、自転車、バイクをその辺に放置しておくと持って行かれて、取り戻すためには、お金を払わされることになるので、ご用心。駅から遠くて家賃が安いからと部屋を借りても、駐輪場代が高かったら全体としては高くつくので、そのあたりにも注意が必要です。

コンビニエンスストア、ファミレス、ファーストフード店で駐車場がないところがあることにびっくりという声も聞きますが、土地代の高いところなので、仕方がありません。

隣の駅が見える

地方と違い、首都圏の鉄道網の密集度は世界でもハイレベル。隣の駅が見えたり、歩いて行っても数分程度だったりと意外に近いこともよくあります。ですので、希望していた駅の一駅先を勧められたとしても、それほど遠くない場合も。所有時間を見てからリアクションしましょう。

空気とか、水がまずい、なんだか臭う……

湧水

東京都日野市の湧水。都心から20~30分も離れるとこうした自然もある(クリックで拡大)

これについてはずっと東京にいるので、私自身はよく分かりませんが、東京に初めて来た人からはしばしば聞きます。神経質な人は覚悟しておいたほうが良いかもしれません。特に化学物質に過敏な人にとっては都心は問題が多いようです。





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