歯・口の病気/審美歯科

治療後の歯が黒く変色?ブラックマージンとセラミック(2ページ目)

歯の治療による被せものなどを行ってから、数年後に歯ぐきが黒ずんでしまうブラックマージン。特に前歯の黒ずみなどは目立ってしまいますが、素材や施術方法を選ぶことで予防することができます。ブラックマージンの原因、対処法・治療法、事前に知っておくべきことをご紹介します。

石井 府中

執筆者:石井 府中

歯科医 / 審美歯科ガイド


ブラックマージンを引き起こさない治療法

ブラックマージンをオールセラミックで再治療

ブラックマージンをオールセラミックで再治療

ブラックマージンはこの通り様々な状態により引き起こされていますが、最初に被せものをセットする時にいくつかポイントを抑えて治療を選択されると、長期に渡って美しい状態をキープすることが出来ます。


 
■被せものに金属を含まないものを選択する
ブラックマージンの一番の原因である、内側が金属で構成されている被せものを避けることです。外側はセラミックなどで白くキレイな状態に造られていますが、歯ぐきが下がることで、内側の金属が露出しブラックマージンを引き起こしてしまいます。内側も外側も、金属を含まないオールセラミックのタイプを選択することが大切です。お値段は内側が金属のものよりも高くなりますが、長期に渡って白く美しい歯をキープすることが出来、再治療のリスクもぐっと低くなります。

■土台に金属を含まないものを選択する
土台に含まれる金属も、ブラックマージンの原因となります。
土台部分は、上から被せもので覆ってしまうので外から直接見えることはありません。ですが、金属が含まれているとその成分が歯ぐき内に流出し、歯ぐきを黒く変色させてしまうことがあります。金属アレルギーを引き起こすこともありますので、土台にも金属を含まないタイプのものを選択しましょう。

また被せものにオールセラミックのタイプをセットする場合、オールセラミック特有の自然な透明感により、土台部分が少し透けて見えます。土台に白いファイバーポストコアなどをセットすることで、上にオールセラミックの被せものをセットした時に、土台部分の白さが仕上がりを自然な白さに見せてくれる効果があります。

■適切なマージンでセットする
被せものをセットする時に、歯ぐきとの間にすき間が出来てしまうと、見た目にも美しく仕上がりません。内側に金属を含んだ被せものをセットすると、歯ぐきが下がってこなくても、ブラックマージンが見えてしまうことがあります。被せものをセットするときには歯ぐきの少し内側、具体的には歯ぐきの0.5mm内側から被せものを立ち上げるようにセットすると、すき間が出来てしまうのを防ぐことが出来ます。

また本来歯は歯ぐきの内側から生えていますので、0.5mm内側に入れ込んでセットすることで、ご自分の歯のように、自然に仕上げることが出来ます。特殊な糸で歯肉を押し下げながら行う高度な技術が必要ですが、仕上がりがぐっと美しくなりますので、そうした治療技術を持っているクリニックを選択されることが大切です。

歯の被せもの治療の前に知っておきたいクリニック選び

歯が欠けてしまったり、ぶつけて変色してしまったり……様々な理由でお口元に被せものをセットする治療を行われるかと思いますが、せっかくキレイに整えたお口元は、長期に渡って美しい状態をキープしたいものです。ブラックマージンでお悩みの方はもちろん、これから被せものの治療をスタートされる方も、ぜひクリニック選びにこだわり、長期に渡って白く美しいお口元をキープしていただければと思います。
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