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豊田、団地建直しで変化進行中、水と緑の街

中央線豊田(日野市)は駅前に昭和33年に竣工した多摩平団地が広がり、その奥には多くの企業の工場、大学などが点在する街。現在団地の建替えが進み、大規模商業施設の登場も間近。変わりつつある街をご紹介しましょう。

中川 寛子

執筆者:中川 寛子

住みやすい街選び(首都圏)ガイド

駅北側の多摩平団地で進む建替え、
大型商業施設建設もスタート

豊田駅前

駅北口。バス停、タクシー乗り場を囲んで飲食店などが入ったビルが並ぶ。通りの左右には飲食店、クリニックなども(クリックで拡大)

新宿から中央線特別快速で30分余。豊田(日野市)は駅北側に昭和33年に竣工、現在建替えが進む旧多摩平団地が広がり、その奥に日野自動車を始めとする多くの工場、首都大学東京日野キャンパスや中央大学、東京薬科大学などのキャンパスが点在する街です。

 
賃貸住宅

建替えられたUR賃貸多摩平の森。道を挟んでは自然樹が残る公園が広がる(クリックで拡大)

旧多摩平団地は40万坪(132万平米)という広大な敷地に250棟、2800戸弱が暮らす一大団地で、もともとあった植生を残すなど、緑の豊富さで知られた場所。駅のロータリーからすぐの場所からがその敷地で、平成9年からの建替えで生まれたUR賃貸多摩平の森(ここは駅から徒歩14分ほど)でもその緑をそのままに高層化が図られ、敷地内はさらにゆったりした印象に。中央線では武蔵小金井を過ぎると緑が濃くなってきますが、この街ではその緑の森に加え、さらに山が望めます。

 

工事中

右手がマンション、左手に大規模商業施設が建設中。写真手前左側には市の図書館なども(クリックで拡大)

旧多摩平団地の敷地内ではまだ、今後も建替えが進む予定で、2013年11月現在は駅前から伸びる通り沿いに大規模商業施設、大規模マンションの建設が始まったところ。これまで近隣にはいわゆるショッピングモール的な施設がなかったことから、完成すると街が大きく変わることが予想され、期待を集めています。それ以外にも一戸建て用地や複合施設用地などがあり、今後しばらく、街のリニューアルは続きそうです。

 

日野市立病理ん

日野バイパス沿いにある市立病院。周囲にはテニスコートなどを備えた公園があり、通りを除けば静かな一画(クリックで拡大)

北口側では駅前に伸びる通りの東側が主に団地エリアで、それを抜けたところには日野第二中学校、多摩平第一公園などがあり、通りが日野バイパスと交差する角には日野市立病院。団地内には図書館、幼稚園、保育園などもあり、ここまでに生活に必要な施設はおおよそ揃っています。

 

工場

大企業の工場が点在する豊田周辺。駅前からは各工場行きのバスが出ている(クリックで拡大)

通りの西側も駅から少し離れると一戸建てを中心にした住宅街。東西とも、日野バイパスを抜けた辺りから工場が増えますが、このエリアにある工場は広い敷地を持つ大企業のものが多く、音その他の懸念は全くありません。

 

たまむすびテラス

民間の知恵で生まれ変わったたまむすびテラス。外構が変わるだけでも、違う建物に見えてくるから不思議(クリックで拡大)

また、通り西側には民間の手によるUR空き住棟の改修利用実験「たまむすびテラス」があります。ここはシェアハウス、家庭菜園付き住宅、高齢者向け住宅などで構成されており、敷地内には桜並木や縁台なども。ここで試された知恵がやがて広がっていくだろうと考えると、楽しみな気分になります。

 

たまむすびテラスの奥には首都大学東京日野キャンパス。駅前からは浅川を挟んで南側にある東京薬科大学へのバスも出ており、街には若い人の姿も多く見かけます。

 

都内とは思えないほど豊富な湧水は
水の郷ならでは

保存緑地と一戸建て

写真右側の一戸建ての並びには保存緑地があり、湧水が。駅から離れるとこうした緑の濃い一戸建て中心のエリアが広がる(クリックで拡大)

ところで日野市といえば、国土交通省の水の郷100選に選ばれるなど、湧水、水路の多い場所として知られています。豊田でいえば、中央線線路を挟んで北側が高台、南側がそれより低い地形となっており、北側の崖地下には豊富な湧水が見られます。

 

黒川清流公園

住宅地の中に突然現れる池、せせらぎ。池には鯉もいる。写真右のブルーのネットはわさび畑(クリックで拡大)

中でも圧巻なのは黒川清流公園。湧水が池となり、そこから崖線に沿って水路が流れているのですが、その水量の豊富さ、清らかさはここが都内かと思ってしまうほど。わさび畑もあり、水質の良さは折り紙つきです。

 

斜面

中央線の線路の右側に浅川が流れている。反対側の丘陵の斜面に広がる住宅(クリックで拡大)

低地である南側にも浅川に注ぐ水路などがあり、底になっているのが浅川。川に沿っては京王線が走っており、京王線から南側は急坂、そして丘陵となっています。豊田の駅前のビル上階からは対岸の斜面に建並ぶ住宅が遠望でき、高低に富んだ地形がリアルに実感できます。

 

豊田駅南口側

北口側に比べると駅前の商店なども少なく、寂しい雰囲気の南口側。今後、生まれ変わることを期待したい(クリックで拡大)

その南口側にも再開発計画があり、あちこちに空き地、途中まで完成した道路などがあるのですが、こちらは北口側ほど計画が進んでいないようで、もう何年もそのまま。いずれ街が変わっていくことを気長に待ちたいところです。

 

続いて中央線豊田の住宅事情を見ていきましょう。
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