駅北側の多摩平団地で進む建替え、
大型商業施設建設もスタート
新宿から中央線特別快速で30分余。豊田(日野市)は駅北側に昭和33年に竣工、現在建替えが進む旧多摩平団地が広がり、その奥に日野自動車を始めとする多くの工場、首都大学東京日野キャンパスや中央大学、東京薬科大学などのキャンパスが点在する街です。
旧多摩平団地の敷地内ではまだ、今後も建替えが進む予定で、2013年11月現在は駅前から伸びる通り沿いに大規模商業施設、大規模マンションの建設が始まったところ。これまで近隣にはいわゆるショッピングモール的な施設がなかったことから、完成すると街が大きく変わることが予想され、期待を集めています。それ以外にも一戸建て用地や複合施設用地などがあり、今後しばらく、街のリニューアルは続きそうです。
北口側では駅前に伸びる通りの東側が主に団地エリアで、それを抜けたところには日野第二中学校、多摩平第一公園などがあり、通りが日野バイパスと交差する角には日野市立病院。団地内には図書館、幼稚園、保育園などもあり、ここまでに生活に必要な施設はおおよそ揃っています。
通りの西側も駅から少し離れると一戸建てを中心にした住宅街。東西とも、日野バイパスを抜けた辺りから工場が増えますが、このエリアにある工場は広い敷地を持つ大企業のものが多く、音その他の懸念は全くありません。
また、通り西側には民間の手によるUR空き住棟の改修利用実験「たまむすびテラス」があります。ここはシェアハウス、家庭菜園付き住宅、高齢者向け住宅などで構成されており、敷地内には桜並木や縁台なども。ここで試された知恵がやがて広がっていくだろうと考えると、楽しみな気分になります。
たまむすびテラスの奥には首都大学東京日野キャンパス。駅前からは浅川を挟んで南側にある東京薬科大学へのバスも出ており、街には若い人の姿も多く見かけます。
都内とは思えないほど豊富な湧水は
水の郷ならでは
ところで日野市といえば、国土交通省の水の郷100選に選ばれるなど、湧水、水路の多い場所として知られています。豊田でいえば、中央線線路を挟んで北側が高台、南側がそれより低い地形となっており、北側の崖地下には豊富な湧水が見られます。
中でも圧巻なのは黒川清流公園。湧水が池となり、そこから崖線に沿って水路が流れているのですが、その水量の豊富さ、清らかさはここが都内かと思ってしまうほど。わさび畑もあり、水質の良さは折り紙つきです。
低地である南側にも浅川に注ぐ水路などがあり、底になっているのが浅川。川に沿っては京王線が走っており、京王線から南側は急坂、そして丘陵となっています。豊田の駅前のビル上階からは対岸の斜面に建並ぶ住宅が遠望でき、高低に富んだ地形がリアルに実感できます。
その南口側にも再開発計画があり、あちこちに空き地、途中まで完成した道路などがあるのですが、こちらは北口側ほど計画が進んでいないようで、もう何年もそのまま。いずれ街が変わっていくことを気長に待ちたいところです。
続いて中央線豊田の住宅事情を見ていきましょう。