はじめに
子育てをしながら、昼間は事務所、夜は講師の仕事、これに加えて、社会人大学院の生活。30歳を過ぎた学生生活が始まりました。つまづく研究
入学早々、研究指導をして頂く指導教授を探すことになった私ですが、研究テーマが特殊だったため、誰にお願いすればいいかわかりません。そもそも、入学試験の口頭試問で「研究指導できる人はいないよ」と言われていました。これは、研究にかける覚悟を試されていると思っていたのですが……。
法学部事務室からも心配されました。指導教授が決まらないと、履修登録ができないからです。別の用で事務室に行くと、「決まりましたか」と声を掛けられることもありました。
研究へ入る前につまずくとは……。春の陽気の中、将来への希望と若々しさあふれる新入生が闊歩する4月の大学キャンパスで、背広を着て暗い顔をした30代の新入生。絵になりません。
途方に暮れる私に、他の社会人大学院生の方々が貴重な忠告をしてくれました。民法の教授は、民法の分野ならば、専門分野以外でも、指導をお引き受けしてくださるとのことでした。教授ともなると、オールラウンドプレイヤーなのだそうです。
胸のつかえがとれた私は、早速連絡をして研究室へと伺い、指導教授を引き受けて頂くことに。奇しくも、私の指導教授は、入試で「研究指導できる人はいないよ」と仰った先生でした。
多彩な社会人大学院生の人達
一年次は、前期8科目、後記6科目を履修し、週4日通いました。
大学院生の皆さんは様々なキャリアをお持ちでした。外国の弁護士、弁護士、不動産鑑定士、税理士、社会保険労務士、行政書士、国家公務員、一般企業から派遣された会社員の方など。さらに院生の3分の1くらいは外国人留学生です。
一橋大学は少数教育が特徴です。私が入学したときの法学研究科の合格者は、10名いませんでした。少人数であるということも院生同士の距離を縮めてくれました。この方達がいたからこその大学院生活でした。