2013年10月28日に亡くなった元読売巨人軍監督・川上哲治さん(享年93歳)のお別れの会が、12月2日東京ドームホテルで営まれました。その様子をレポートします。
会場は巨人軍本拠地東京ドームホテル
会場となったのは東京ドームホテルB1階の「天空」。エレベーターを使用しなくても、エントランス入ってすぐのエスカレーターを下るだけなので導線はスムーズです。お別れの会は11時スタートですが、一般ファンの献花も受け付けていたので、ロビーには献花待ちのファンであふれかえっていました。
祭壇に思い出の品を展示
祭壇にはユニフォームやバッドが展示
祭壇はトルコキキョウ、マム系などを配した白一色の半オーバル形。中央部にはカサブランカを集中させ、凹凸感を出しているデザインとなっています。
遺影の下には天皇陛下からの祭祀料をお供え。現役時代に着用した背番号「16」や、監督時代に着用した背番号「77」のユニフォーム、愛用したバッドなどが飾られています。
式典は参列者を代表して王貞治さんのお別れの言葉があり、その後献花という流れ。セレモニーというより献花中心のシンプルな構成です。思い出の品が祭壇の一部になっているため、献花をしながらじっくり眺める人が多く、献花はゆったりと進められていました。
野球一色のお別れの会
宴会場入口付近に飾られた現役時代の写真パネル
特徴的といえるのは、最近の写真が一枚も飾れれていない点といえるでしょう。メインに使われた遺影写真は約40年前の監督時代のもの。入口付近に飾られたパネルもすべてユニフォーム姿で、引退後の写真はもちろん、家族と一緒の写真もありません。思い出の品も野球に関係するもの以外は展示されていませんでした。かろうじて、プライベートを垣間見ることができるといえば、会葬礼状に記されたご家族からの「お別れの言葉」でしょうか。
三つ折りの会葬礼状。これまでの功績のほか、家族からのお礼の言葉が書かれている
会葬礼状によると、川上哲治さんは、岐阜県美濃加茂市にある臨済宗妙心寺派・正眼寺で生前すでに「赤心哲山」と戒名をいただいていたようです。その後「大徹院」の院号を授かり、位牌には「大徹院赤心哲山居士」と記されました。「最後まで野球にかかわらせていただくなど、野球ひとすじの人生でございました。」と会葬礼状に書かれているように、お別れの会も野球一色に染められていました。