黒01系統東急バス<目黒駅前発大岡山小学校行き>
「目黒」駅前は東口西口双方に数ヶ所のバス発着所を置くが、改札にもっとも近い場所にあるのが「目黒01系統、清水・目黒郵便局・サレジオ教会経由大岡山小学校行き」発車停留所である。朝は2、3分間隔で、深夜は0時30分まで運行している。通勤時間帯は目黒通りがバス専用(優先ではない)レーンとなるため渋滞に巻き込まれる頻度は軽減。“バス便は不便”という固定観念を払拭するほど何かと使い勝手の良い路線である。終点までの停留所は全部で14。ちょうど中間あたりの6つ目の停留所「目黒郵便局」までは目黒通りを走り、後半は目黒本町、碑文谷の住宅街を行く。途中、「碑(いしぶみ)桜通り」という並木道を直進するが、桜のアーチをくぐるように進行する春の頃はぜいたくな通勤経路となる。
碑文谷界隈には「サレジオ教会」をはじめ、古民家を保存する「すずめのお宿公園」、「碑文谷八幡宮」、そして23区最古の木造建築を有する「円融寺」がある。普段は牧歌的ともいえるほどのんびりとした街だが、クリスマスは深夜まで教会が賑わい、秋の祭りには大勢の人が八幡宮にやってくる。なんともハレとケの利いた個性ある地域だが、複数路線が収斂するターミナル駅から距離にしてわずか4kmほど。この静と動の融合が目黒の魅力でもある。
目黒通り沿道の特徴
さて、目黒通りに話を戻そう。いまでこそ「インテリアストリート」などと呼ばれ、多くの家具・雑貨ショップが軒を連ねる目黒通りだが、それも歴史的にはここ10年ほどの現象で、定着する店舗もまだ見た目ほど多くは無いように見受けられる。目黒駅からの(徒歩)距離もさることながら、高低差30mの起伏がある土地柄ゆえ、恒常的に人を集めるにはそれ相応の魅力が求められるのだろう。そもそもこの目抜き通りの特徴は、何といっても老舗銘菓の豊富なこと。揚げ饅頭の「御門屋」、レーズンウィッチで知られる「小川軒」、都立大の「ちもと」。新しいところでは「モンサンクレール」、ジャンルは異なるが「目黒五十番」なども有名。いずれも鉄道駅からは遠い位置にあるが、平日でも夕方になると品薄な店も少なくなく変わらず繁盛しているように映る。
銀杏並木で景観形成する目黒通りは正式名称を「東京都道312号白金台町等々力線」という。その名の通り、白金から等々力までの間を走る道で、都心部から放射状に郊外(他県)につながる大動脈ではないところに着目したい。目黒駅以西の沿道には地下鉄駅もない。よって、車両交通量は限られ、密集した雑居ビルが延々と立ち並び難い幹線道路といえる。今般取材した「プラウド目黒本町」は、「目黒郵便局」バス停留所から目黒通りを南へ4分歩いた場所にある。