子育て/育児ストレス解消法

ストレスを溜め込まず上手に吐き出すコツとは?(2ページ目)

「ストレスを溜め込まない」は正解、でも、その吐き出し方にはコツが必要です。「吐き出したのに、ちっともスッキリしない」を防ぐために、心理学的に見た「吐き出し方」のコツをお伝えします。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

愚痴オンリーでは、後でへこむ結果に

前ページでご紹介した2つのタイプの特徴は、吐き出す方向がいずれも前向きだということ。そうです。大事なのは、吐き出す方向性です。

次の例を見てください。

A子さん:「うちの旦那、ちっとも育児を手伝ってくれないの。私の大変さが全く分かっていないから、出かけるときも、ギリギリまで寝ているの。で、起きても、自分のことだけやって終わり。終いには、まだ準備が終わっていない私に、『グズグズするな!』って。もうひどいでしょ!許せない!」

このような「吐き出し」は有効に見えるでしょうか? A子さんは、友人宅で散々グチを言い、この後、家に帰って、気持ちがスッキリしているでしょうか? 残念ながら、ストレス解消という点から見れば、解消どころか、悪化の方向性さえあります。

愚痴、文句、不平、不満、どれも心理学的には、心の状態を下げてしまうマイナスなもの。特に、この例のように、「相手のことを許せない!」というパターンは、ストレスを逆に悪化させてしまう可能性が高いのです。

「○○さんのことを許せない」
「この間のあの一件は絶対に許せない」

のように、ある人やある一件を「許せない」と思うと、人はそれに逆に縛られるようになります。本当なら、一刻も早く忘れ去りたいことなのに、「許せない」と思えば思うほど、心からそれが離れなくなってしまうのです。


愚痴で終らせないために

ではどうすればいいのでしょうか?

ここで見逃してはいけないのが、「心の中のつぶやき」です。ママ友に愚痴を言うときというのは、心の中も100%その愚痴で満たされています。つまり、心の中が、「許せないこと」で溢れかえっているのです。「夫に対する許せないこと」「子どもに対する許せないこと」「ある店員さんに対する許せないこと」など、それらをひと言発するたびに、真っ黒なインクがポタッ、ポタッと心の中に広がっていくイメージを想像してみてください。それだけで「事は良い方に進まないだろうな」ということが容易に想像できますよね。

人は、心の中が一旦曇ってしまうと、周りを上手く見通せなくなる傾向があります。真っ黒に染まってしまった心では、見るもの全てが、暗く、ネガティブなものに感じられてくるのです。

愚痴は、前向きで建設的な方向性がなければ、吐き出しても効果がありません。つまり、「許せない」という気持ちがママ友に聞いてもらったことでスッキリし、「許せる気持ちになった」という展開でない限り、許せない気持ちは心にまとわりついたまま。思い出した瞬間に、イヤな気持ちがまた簡単に心に押し寄せてしまうのです。

上手に吐き出すポイントは、心のつぶやきの質を上げること。前ページでご紹介した、「問題解決型」か「共感解消型」に持っていくのがコツです。

「愚痴っていても何もはじまらない」
「じゃあ、何ができるかな?」
「いいアドバイスをくれる人がいないかな?」
「だれか、同じようなことを乗り越えた人はいないかな?」

こうやって、少しでも前に進むことを考えれば、愚痴も良いバネになってくれます。前に進むために「愚痴る」、これがストレス解消につながる賢い愚痴の活用法です。
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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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