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10年ぶりに登場!新型ハリアーは買いか?

高級クロスオーバーSUVという新ジャンルを作り出したハリアー。レクサスRXの登場によりその役目を終えるはずだったが、ディーラーからの強い要望を受け10年ぶりにフルモデルチェンジした。新型ハリアーは果たして買いなのか?ジックリと見てみよう。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

シャシもエンジンも一新し、燃費は大幅に改善

トヨタの商品計画だとハリアーは2代目を最後に生産を中止し、レクサスRXに引き継ぐことになっていた。しかしトヨタのディーラーから「ハリアーを無くさないで欲しい」という強いリクエストを受けていたという。かといって2003年に発売されたモデルをいつまでも売るワケにもいかない。
新型ハリアー

10年ぶりのフルモデルチェンジとなった今回。ダウンサイジングにより燃費が大幅に改善した

安全装備や環境対応などで時代遅れになってしまうからだ。そこで計画になかった3代目の開発を開始。10年目のフルモデルチェンジとなった次第。さすがに先代モデルの基本骨格は全て使えなかったらしく、シャシからエンジンまで一新。文字通り新型に生まれ変わった。

最も大きい変更点が、パワーユニットである。普通のガソリンエンジン搭載車は160馬力の2.4リッター4気筒から、151馬力の2リッター4気筒にダウンサイジングされた。気になる走りだけれど、トヨタに聞いて見たら「先代に勝るとも劣らない走りをします」とのこと。車重が40kg程度軽くなっているだけでなく(ベースグレードは1560kg)、ATが超旧式の4速タイプからCVTになっているだめだ。さらにアイドリングストップの採用などで燃費11km/Lから16km/Lへ大幅に改善されている。乗り換えた人は実用燃費の差に驚くことだろう。

装備は充実も、ランニングコストではライバルに苦戦

ハイブリッドも後輪駆動用のモーターこそ同じ68馬力ながら、前輪は211馬力の3.3リッターV6からカムリHVやクラウンHVと同じ2.5リッター4気筒152馬力にダウンサイジングされている。2代目ハリアーHVって、燃費より動力性能を重視した時代のハイブリッドだったのだ。

燃費は17.8km/Lから21.8km/Lに向上し、一回りコンパクトなスバルXVハイブリッドの20km/Lを大幅に凌ぐ。ただランニング コストという点からすれば、燃費が良い上、安価な軽油を使えるマツダCX-5や、さらに安い電気も使う三菱アウトランダーPEHVに届かない。

一昔前までハイブリッド=最もランニングコストの低いパワーユニットだったけれど、今や完全に追いつかれてしまった。なかでもアウトランダーPHEVは、補助金を使えるため車両価格という点でもイーブン。ちなみに絶対的な動力性能と言えば、これまたディーゼルやPHEVと良い勝負です。
新型ハリアー

横滑り防止装置VSCなど、標準装備はなかなか充実している

装備を見ると、なかなか充実している。ヘッドライトなど全グレードLEDタイプ。横滑り防止装置VSCやサイドカーテンエアバッグなど標準装備。ただ今や他のメーカーなら必ず選べる自動ブレーキは選べない(減速をしてくれるプリクラッシュセーフティのみ装着可能)。

果たして新型ハリアーは買いか? 残念ながら「10年分の進化」という点で少しばかり物足りない。むしろ自動ブレーキなど安全装備でライバルに 負けており、燃費(ラニングコスト)は追いつかれてしまった。購入を考えているなら、ライバルとジックリ比較し検討するといい。
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