Q1.一般的な「開放廊下」との違いを挙げよ。
右の画像は、「ザ・パークハウス鎌倉二階堂」1階の開放廊下を撮影したもの。この画像から、一般的なマンションとの違いを想像していただきたい。具体的にココが違うという点をできるだけたくさん挙げてみよう。クリックすると拡大します。さて回答は、居室側のアルミ格子。手すり(左)側の柱。天井の照明。床シートの模様。それぞれの説明に入る前に、建物の状態を解説する必要があるだろう。状態とは、道路との位置関係である。所在地名でもある「二階堂」という名称は(現存しない)「永福時」に建立した御堂が由来。駅や鶴岡八幡宮からの参道に位置する前面道路は、その跡地や覚園寺へのルートであることから、通行人に室外機などを露わにすることを避けたかったのだと推察する。
縦格子の効用は、真正面からは互いが見えるが、少しでも角度が違えば隠れられるところ。道行く人の目線から(一瞬を除けば)プライバシーも守り、景観を損ねない。デザインの一貫性を保つため、スレンダーな柱を多用、床のビニルシートまで統一した。普通なら天井の真ん中にある照明も格子のてっぺんに置き、雰囲気を出している。
Q2.この窓の特長とその理由を挙げよ。
次の画像はリビングダイニングから屋外を撮ったもの。一般的なマンションとの違いは何かをお答えいただきたい。具体的にはメリットになるわけだが、その背景にある理由もお考えいただきたいと思う。回答は、大きな窓。天井近くまで広がったハイサッシュはもとより、壁(左)一杯に開口している点にもご注目。山の連なる景色が、まるで額縁に収まった絵のように見える。
設計上の背景としては、柱や梁の出ない壁式構造を採用していること、空調設備の配管や換気(給気)口のための袖壁がないこと、そしてバルコニー手すりを共用廊下同様縦格子にしたこと。こちらも厚みがあるため、斜め方向からのプライバシーは確保され、その点では昨今流行りのガラス手すりとの違いを考慮したものと思われる。洗濯物は干せる規約である。
壁式構造で作られた室内は、家具の配置がしやすく、壁に飾る1枚の絵も様(さま)になる。梁のない空間は本当に心地よいが地震の多い土地柄ゆえ、壁式構造は(免震でない限り)一般的には5階建てが限度と言われている。
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