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【未来予期治療】 「未来の健康」に関する意識調査(2ページ目)

遺伝子検査のように“個人”に対して「未来の健康」を予測しオーダーメイドで診断や治療ができる「未来予期治療」が、今年の「国民の決断2013」にて、見事に一位となり、みなさんにとっても関心が高い出来事であることがわかりました。そこで、株式会社オールアバウトが運営する「生活トレンド研究所」は、「未来の健康」に関するアンケート調査を実施。ここでは、その結果につき解説させていただきます。

菅原 道仁

執筆者:菅原 道仁

医師 / 家庭の医学ガイド


「未来予期治療」が私たちの生活を変化させる!

「未来予期治療」が私たちにどのような影響をあたえるか。まず、わかりやすいところから考えますと、未来が見通しやすくなるということから、保険制度の改革がおこるはずです。一人ひとりの健康リスクに応じて、保険料を細かく設定できる商品が開発されていくことでしょう。また、一般生活者の健康リスクが回避されていけば、当然のごとく「平均寿命」も伸びるのですが、日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間の「健康寿命」を伸ばすことができ、人生のQOLの向上が見込まれると思います。そうすれば、元気で現役バリバリに働く高齢者が増えることになるので、少子化に伴う労働人口減少の助けになるはずです。また、懸念されることとして、倫理的な問題があります。未来予期には、多くは個人の遺伝子情報を利用するので、たとえば、デザイナーベイビーの問題が表面化してくるかもしれないので、皆で議論していくべきでしょう。

また、この“来予期治療”を有効に活用するには、大前提として、一人ひとりが考えなくてはならないことが有るのを付け加えさせてください。

それは、『人生目標』を持つことなのです。究極的には『死』について、しっかりと元気なうちから向き合うということです。こういった目標は漠然とでもいいんです。具体的ではなくても構いません。最終目的地をおぼろげながらでも想像しておかないと、未来予期治療は有効に活用できません。私たちの人生は『不確定性』が多いもの。すべての未来を予期することはできません。ですから、私はどのような人生を送りたいのか、なんとしてでも孫が結婚するまで生き残りたいのか、それとも少し寿命が短くてもいいからいろいろな旅行がしたいとか、おぼろげでもいいので考えて欲しいのです。そうすれば、予防すべき病気がわかり、それにたいして危険性をできるだけ排除していけばいいのです。

般若心経のように、先の事は誰にも見えない、無理して照らそうとしなくていい、見えない事を愉しめばいいだろという考え方も同意できます。しかし、たとえば、降水確率70%と言われた時に、傘を持って出かける人もいる、タクシーを利用する人もいる、ずぶ濡れを楽しむ人もいる、というのと同じような意味合いで未来予期治療をとらえていただければと思います。いままでの医者に対して『おまかせします』の時代から、やっと主体的に自分の人生を選択できる世の中に変貌しようとしているのです。
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