「佳」は高いことをあらわす、男女ともに名前に使われる字
「佳」は男の子の名づけにも使える?
A 佳の字は男女どちらにも使われる字です。たとえば女性ではスケートの村上佳菜子さんや、芸名ですが女優の三田佳子(みたよしこ)さんの名前に使われており、また男性では前首相の野田佳彦さんや、ミュージシャンの桑田佳祐(くわたけいすけ)さんの名前にも入っています。
この字の本来の意味というのは、字の成り立ちをみますとわかります。右側の圭の部分は三角形に高く盛った土を意味します。「高い」「とがる」「整う」の意味をあらわし、桂(高く伸びる木)、畦(高くなったあぜみち)、崖(高い所)、掛(高い所にかける)などの字に含まれます。そして人と合わせた佳の字は、「高い人」ということから、スマートな人とか、高尚な人という意味をあらわします。
圭の字と同様に、佳の字もかなり人の名前に使われています。ただし圭の入る字は、みな形、高さのことを言っているのであり、光ることとは関係のない字ですから、きらきら輝くというのは字の正しい説明にはなりません。
佳という漢字の読み方
ところで佳の字には、あまり知られていない意外なことがあります。といいますのは、辞典をひいても「ケイ」という読み方がのっていないのです。右側に「圭」の字があれば、当然この字もケイと読むと思う人も多いですから、名前でケイと読ませても実際の社会生活ではあまり支障は出ないのですが、厳密にはケイという読み方は無い、ということにはなるのです。ですから名前に使うならカ、ヨシと読ませたほうが無難だとはいえます。■「佳」を使った実際の名前の例
男の子の名としては、たとえば佳輝(よしき)、佳樹(よしき)、佳貴(よしき)、佳紀(よしき)、佳登(よしと)、佳陽(よしはる)、佳晴(よしはる)、佳之(よしゆき)、などという名前が作れます。
女の子の名としては、佳音(かのん)、桃佳(ももか)、萌佳(もえか)、彩佳(あやか)、綾佳(あやか)、美佳(みか)、梨佳(りか)、莉佳(りか)、里佳(りか)、 楓佳(ふうか)、杏佳(きょうか)、京佳(きょうか)、佳奈(かな 佳菜(かな)、佳那(かな)、佳歩(かほ)、佳帆(かほ)、佳穂(かほ)、佳蓮(かれん)などをはじめ、ほかにもたくさんの名前が作れます。
しかしたとえば「陽佳」などという組み合わせにしますと、ハルカ、ハルヨシという二つの読み方が出ますので、男女がわかりにくい名にはなります。「男の子につけると中性的な人になりそう」という心配は不要ですが、使い方によって男女わからなくなることもある、という注意は必要です。
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