Linuxを使い始めようとするときに戸惑うことの1つが、ディストリビューションとデスクトップ環境の選択です。WindowsやMacユーザーにとっては、デスクトップ環境という言葉自体聞き慣れない言葉かもしれません。デスクトップ環境とはデスクトップの見た目や使い勝手を決めるソフトウェアで、WindowsやMacでは各バージョン(Windows 8やMavericksなど)ごとに1つのデスクトップ環境が用意され変更は基本的にできないようになっています。例えば、Windows 8を使いながらWindows XPなど他のバージョンのユーザーインターフェースを選択することはできません。
Linuxでは選択したディストリビューションのユーザーインターフェースとは別に、好みのデスクトップ環境を自由に選択できるようになっています。現在主流のデスクトップ環境は「GNOME (派生したUnity等を含む)」、「KDE」、「Xfce」の3つで、それぞれ異なる特徴をそなえています。Linux初心者も新しい環境を試したい経験者も、簡単に好みにあったデスクトップ環境を選択できるようにそれぞれの特徴を解説します。
デスクトップ環境
GNOME(グノーム)
GNOMEは一時期最も人気のあったデスクトップ環境で、現在もFedoraやOpenSUSEなどの人気のディストリビューションで採用されています。又、Ubuntuのデフォルトのデスクトップ環境であるUnityやLinux MintのCinammonなどもGNOMEをベースにしたデスクトップ環境です。タスクバーさえないシンプルなデザインで、アプリケーションの起動などほとんどの機能は、デスクトップ左上のアクティビティからアクセスします。使い始めはシンプル過ぎて使いづらいと感じるかもしれませんが、慣れると使いやすく安定したデスクトップ環境です。
Ubuntu GNOME デスクトップ
アクティビティ・オーバービュー
Unity
UnityはGNOMEをベースにUbuntuのために作られたデスクトップ環境ですが、Ubuntuの他にもOpenSuseやFedoraでも選択可能です。よりMacに近いユーザーインターフェースで、Macのドックと同様のアプリケーションを起動するランチャーとDashホームと呼ばれるアプリケーション・ファイル検索機能が特徴です。見た目も美しく初心者にとって使いやすいデスクトップ環境ですが、逆にカスタマイズの自由度は低いです。又、メモリの消費量が大きいので古く性能の低いパソコンには適しません。
Ubuntu Unity デスクトップ
ウィンドウの閉じるボタンの位置
KDE(ケーディーイー)
GNOMEと並び、最も人気のデスクトップ環境です。GNOMEやUnityと違いWindowsにより近いユーザーインターフェースなので、Windowsユーザーには最も馴染みやすいデスクトップ環境かもしれません。KDEはカスタマイズの自由度が最も高く、メニューの位置や大きさの変更及びウィジットと呼ばれる様々な機能を持つプログラムをデスクトップ上に追加することができます。又、GNOMEやUnityと同様にメモリーやCPUの消費量が比較的大きいので、古いパソコンでは遅いと感じるかもしれません。
Ubuntu KDE デスクトップ
プラズマパネル変更