LinuxはWindowsやMacと違い多くの場合、最初から自分でオペレーティングシステム(OS)をインストールしなければいけないことが、新ユーザーにとっての大きな障害のひとつになっています。それでも以前と比べれば、Ubuntuなどの人気のディストリビューションは、初心者でも比較的簡単にインストールできるようになってきました。少し試すだけであれば基本設定のままでも構いませんが、より便利にLinuxを使っていくにはカスタムインストールのためにパーティションについて理解を深める必要があります。この記事では、Windowsのシステムと比較しながらLinuxのパーティションの基本について解説します。

 

パーティションってなに?

パーティションはコンピュータのデータを保存するハードディスク等をあたかも複数のディスクで構成されているかのようにするために分けられた記憶領域のことを指します。例えば、WindowsではメインのCドライブとバックアップ用のDドライブがそれぞれパーティションになります。

パーティションを分ける主な理由はOSとユーザーのデータを保存する場所を別にすることで、どちらかのパーティションに障害がおきた場合でも、もう一方のパーティションに被害が広がらないように管理することです。また、それぞれのパーティションには異なるファイルシステムを使えるので、1つのハードディスクに異なるOSをインストールすることが可能です。

dual boot partition

LinuxとWindowsでディスク1を共有

 

  Windowsとの違い


パーティションの表示

Linuxのパーティションを作成・変更しようとすると、WindowsユーザーにはおなじみのCやDなどのドライブレターの代わりにデバイス「/dev/sda1」、タイプ 「ext4」など見慣れない文字が表示されます。Linuxでは記憶媒体が接続された順番にsda、sdb、sdcと表示し、その中のパーティションはsda1、sda2、sda3と表示されます(ただし、下記の論理パーティションは5から始まる)。例えば、「/dev/sdc2」は3つ目のハードディスクの2つ目のパーティションということになります。Windowsを消さないでLinuxをインストールする場合は、パーティションのタイプが「ntfs」と表示されたWindowsのパーティションを削除しないように注意してください。

 

partition

パーティションの表示


ファイルシステム
WindowsはNTFSというファイルシステムを使いますが、Linuxは基本的にext4 (ext2とext3は古いフォーマット)を使います。また、後述するスワップ領域に関してはスワップ領域専用のファイルシステムを使います。Windowsと違いOS中で複数のファイルシステムを使えるので、読み書きの多いディレクトリはext4、読み取り専用はext2、Windowsと共通フォルダはFAT32 (USBドライブのフォーマット)とするなど自由に選択できます。


基本パーティションと論理パーティション
新しいパーティションを作成するにはパーティションタイプを選択する必要があります。Windowsではメインのパーティションは基本パーティションでないと動作しないなどの制限がありますが、Linuxの場合はどちらを選んでも動作には影響しません。基本パーティションが1つのハードディスク内に4つまでしか作成できないのに対し、論理パーティションはいくつでもできるというメリットがあります。


マウントポイント
Linuxはルートと呼ばれるディレクトリを頂点に明確なツリー構造を持っていて、各パーティションはそのディレクトリに登録(正確にはマウントという)されることでアクセスできるようになります。Windowsには明確なツリー構造はなく、各パーティションにランダムなアルファベトッをつけることでアクセスできるようにしています。あるパーティションがどのディレクトリからアクセスできるのかを示すのがマウントポイントです。

Linuxのツリー構造と各ディレクトリのパーティションの相対的位置はお互いに独立しています。例えば、2つ目のハードディスクの3つ目のパーティション(sdb3)をルートディレクトリにマウントして、1つ目のハードディスクの1つ目のパーティション(sda1)をルートの下位階層の「/home/bob」にマウント可能です。

*ディレクトリはフォルダと同じ意味ですが、パーティションやシステムの話をするときにはフォルダではなくディレクトリと呼ばれます。詳しいディレクトリ構造に関する解説は「ここがWindowsと違う、Linuxのディレクトリ構造」の記事を参照してください