自分の名前を誤った契約書?

ある日、突然、妻の元に、契約の確認書が送られてきました。しかし、妻は契約をした覚えがないと言います。確かに、契約書に書かれた筆跡が妻のものではなく、何より、妻の名前が間違っていました。相手方が勝手に契約書を作成したのでしょう。

妻は、驚きと怒りで冷静さを失っている様子でした。そこで、私が妻にかわって相手方に連絡をしました。すると、相手方は後述するような、信じられない対応をしたのです。なお、この相手方というのは、国民全員が知っている大企業の支店です。

あまりに酷いので、本社にも問い合わせをしました。法務部が作成したような綺麗な文面が返ってきましたが、実際は、我関せずという形で問題を放置するだけでした。支店が支店ならば、本店も本店です。

妻が共犯?

支店の担当者に連絡をとると、信じられないことを言うのです。「その契約書を作成した人間が悪い。そんな人間を紹介され雇ったうちの支店は被害者だ。あんたの妻は、そいつと共犯じゃないのか」と。

共犯? 何を言っているのかわかりませんでした。どうやら、契約成立の成功報酬としての給料を騙し取ったと言いたいようでした。謝罪もなく、酷い対応なので、私が法的手段をとって事実関係を明らかにしたいと言うと、恫喝する始末でした。

偽造された契約書の写しという証拠があるので、警察に相談もしました。文書偽造罪が成立するからです。もちろん、この程度の事件では、警察が動かないことはわかってはいましたが……。案の定、所管警察署は、連絡をとってもそれきりです。

運営委員の私が、逆に相談者に……

困りました。費用倒れ覚悟で本人訴訟を提起してもいいのですが。馬鹿らしい。しかし、あまりに酷い。うーん、困った。ああ、そうだ、相談だ。行政に相談しよう。

私は、消費生活相談センターに相談をしました。会議でいつも顔を見合わせている見知った人ばかりです。しかし、まさか自分が相談することになろうとは……。

相談員の方が直ぐに動いてくれました。私には恫喝できた相手方も、行政からの電話に関しては、居留守を使い続けていたようです。明らかに、行政からの対応を嫌がっているようでした。

しかし、これだけで終わらせてはいけない、ああ、そうだ、機関紙の記事にしよう。そこで、今回の顛末を記事にして、市民に注意喚起を促しました。おそらく、他にも同様の被害を被っている方が多いと思ったからです。

結局、残ったものは

残ったものは徒労感だけです。最終的に、妻が支払を請求されなかったのは当然ですが、結局、相手からの謝罪はありませんでした。消費生活相談センターの重要性を体感した事件でした。

それ以来、消費者問題の相談をされると、まず消費生活相談センターに相談するようにアドバイスをしています。無料ですし、市民の力になってくれるからです。消費者問題において、行政の果たす役割はとても大きいと思います。

次回は、私の行政書士としての深淵の悩み、「苦悩へと続く道」です。


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