「自分予算(R)」とは、住宅を購入し、住宅ローンを返済しながらも貯蓄ができ、夢や目標を叶えながら、将来の家計に不安を残さない住宅にかけられるお金のこと。「自分予算」は、家計収支を一生涯で考え、住宅を買って自分らしい暮らしを送りながらも、生涯収支が赤字にならないことを大切にした考え方です。
さて、A子さんとあなたの自分予算はいかに?
1.「自分予算」A子さんの場合
自分らしい豊かな暮らしのための自分予算プランニングを!
●A子さん(30歳・会社員)の例
<基礎データ>
・年収:500万円(手取り年収:400万円)
・毎月の基本生活費(住居費除く):18万円
<ステップ1>「生涯収入」を試算する
a.勤労収入:1億4000万円=手取り収入400万円×35年(定年退職年齢-現在年齢)
b.退職金:見込まず
c.預貯金等:600万円
d.生涯収入(a+b+c):1億4600万円
<ステップ2>「生涯支出」を試算する
e.基本生活費:7560万円=基本生活費18万円×12か月×35年
f.老後資金:2112万円=公的年金上乗せ額8万円×12か月×22年(65歳から平均余命まで)
g.趣味等予備費:128万円
h.生涯支出(e+f+g):9800万円
<ステップ3>「生涯収支」を試算する
i.生涯収支(d-h):4800万円(住宅にかけられるお金)=1億4600万円-9800万円
上記のとおり計算方法はいたってシンプルです。A子さんの住宅にかけられるお金(自分予算)は、4800万円となりました。あなたの住宅にかけられるお金はいくらでしたか。ですが、「4800万円のマンションが買える!」と思ってはいけません。前編でもお伝えしたとおり、これはあくまでも、住宅を購入し維持管理することにかけられるトータルなお金です。住宅価格以外に必要な購入時諸費用やランニングコスト、住宅ローンの利息等を考慮しなければなりません。
生涯収入や生涯支出を計算すると、毎月の1万円、2万円というお金が、20年、30年という長い年月によって、200万円、300万円もの大きなお金になることを実感できます。住宅にかけられるお金が同じ4800万円であっても、住宅ローンの選択、管理費、修繕積立金、固定資産税等ランニングコストの違いによって、数百万円もの差となり、住宅の購入可能額に大きく影響を及ぼします。住宅にかけられるお金の試算は、初期段階。次のステップも非常に重要です。