コンパクトメルセデスのアイコン
Aクラス初のAMGモデルとなる、「世界一パワフルな量産4気筒エンジン」を積むハッチバック。ボディサイズは全長4355mm×全幅1780mm×全高1420mm、ホイールベースは2700mm。価格は640万円
スポーティな5ドアハッチバックスタイルを手に入れた新型Aクラスは、今のところ世界中で大好評を博している。
テーマは、若年層の拡大。日本のような成熟市場におけるメルセデスブランドの若返りのみならず、新興マーケットにおけるブランドロイヤリティの橋頭堡となる。それがAクラスに託された役目、というわけだが、それゆえ、その発表前からシンボリックなモデルの追加に関して、メルセデス首脳陣もその存在を否定することはなかった。
コンパクトメルセデスのアイコンが、このA45AMG4マチックだ。AMG初となるFFベースAWDの量産コンパクトモデルである。
AMGモデルといえば、なにはともあれパワートレインだ。車名の45=4.5リッター、という時代ではもはやない。ダウンサイジング時代にふさわしく、M133型直噴2リッター直4ターボエンジンを積む。しかし、そのエンジンスペックは、最高出力365ps/最大トルク450Nmだから、なるほど、ひと昔前のマルチシリンダー 4.5リッター自然吸気級のパフォーマンスである。
4気筒エンジンが発するとはにわかに信じがたいハイパワーを受け止めるべく、A45AMGには、専用セッティングの7速DCTと電子制御4WDシステムが与えられた。従来のメルセデス4マチックとは異なるシステムであるため、晴れて右ハンドルの導入が実現。このあたりもまた、新しいメルセデスイメージだろう。
見た目の第一印象は、ひと足先にマーケットデビューを果たしているA250シュポルトと、さほど変わらない。むしろ、ダイヤモンドカットグリルや赤いアクセントを多用したA250シュポルトの方が、派手な出で立ちでよく目立つ。A45AMGの底力をエクステリアから読み取るためには、ブレーキサイズやエンドパイプ、リップスポイラー、そしてエンブレム、といったディテールにまで目を凝らす必要があった。
レッドステッチをあしらったヘッドレスト一体型スポーツシートを備えるインテリア。パッケージオプションのアドバンストパッケージ(写真)には本革のパフォーマンスシートやエンブレム付きE-SELECTレバーなどが用意される
残念ながら、あっという間に売り切れてしまったけれども、ジャパンローンチ特別限定車のエディション1ならば、ド派手なエアロパーツとストライプで、A250シュポルトの存在感など木っ端みじんに打ち砕くものだった。