完成度の高いスポーティコンパクト
全長4095×全幅1750×全高1445mm。サイズ的にはBセグメント最大級で、Cセグメントに迫るほど。ボディカラーは写真の「ルージュ フラム」や黄色の「ジョン エクレール」など7色を用意し、インテリアコーディネイトが魅力の受注生産も用意する
まず、従来のルノー車とは一線を画す、スポーティな顔つきとワイド&ローなフォルムに目が奪われるはずだ。全長4095×全幅1750×全高1445mmは、日産ノートの全長4100×全幅1695×全高1525mmと比べると長さはほぼ同じだが、よりワイドで低く構えているのが見た目からも数値からも分かる。
新しいルノーのフロントマスクなど、スタイリッシュなデザインを生み出したのはマツダからルノーに転じ、コンセプトカーの「デジール」などのエクステリアデザインを手がけたローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏。
すでにフェイスリフトを実施したカングーなど、今後のルノー車は、大きな「ロサンジュ」エンブレムを中央に据えた、両サイドに翼を広げたような印象的なフロントグリルになる。
ボディカラーも大きな魅力
試乗したのは「ルージュ フラム」と呼ぶ赤いボディカラーで、同じ赤系でも日本車にはない発色でオシャレに見えるから不思議だ。デザインもボディカラーも個人により好みがあるとはいえ、ルノーの強いこだわりでもある。スタイルと色に惹かれて購入してしまう、そんな衝動に駆られても不思議ではない。サイズはBセグメント最大級ではあるが、室内は広大というわけではない。とくに全高が低いため後席の頭上空間はそれなりだ。しかし、身長180cmの乗員が前に2人、後ろに175cmの人が2人座ってもそれほど窮屈ではないはずの広さは確保されているから、日本人の平均身長なら不足はないはずだ。
「個人的には」という注釈が付くが、外観ほどの衝撃は受けなかったものの、インテリアのデザインや質感にも大きな不満はなく、大人の審美眼に十分耐えうる仕上がり。
国産コンパクトカーがコストダウンを隠すためあれこれ加飾を施したり、ギミックに思えてしまうメーターデザインを採用したりするといった、悪あがきは感じさせない。いい意味で割り切りといえるが、心地良く感じる。
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