行政法記述式の「論点抽出」について
「何を書いたらいいかわからない」、問題文をみてそう思った方は、論点抽出ができていない証拠です。また、「解答をみたら、その知識は知っていたけど、問題文を読んで思い浮かばなかった」という人も同じです。問題文から論点を抽出できていません。そういう人はどうすればいいのでしょうか?
論点抽出とは、問題文の文章から自分の持っている知識を引き出すことです。簡単に言えば、「連想ゲーム」です。そこで、対処方法としては、普段の勉強でできることは、「知識の具体例」を思い浮かべることです。そうすれば、問題文(具体例)から知識をつなげることができます。さらに具体例の中でキーワードを探しましょう。すると、具体例の違いがわかるようになり、より効率的に暗記できます。
もっとも、行政法の場合は、論点抽出はあまり問題になりません。それは、過去問をみればわかります。前述した定義型問題は、何を書いていいかわからないことは少ないと思います。平成23年の問題は少し難しいかもしれませんが、それでも答えに結び付けられます。また、訴訟選択型問題は、平成24年に出題されていますが、これも簡単に答えに結びつけられます。
なお、訴訟選択問題を苦手にする人が多いのですが、客観訴訟、形式当事者訴訟は、法定された場合しか訴えの提起ができませんから、その法律を覚えればいいのです。実質的当事者訴訟は、判例を押さえれば十分です。いずれにせよ、ひとつの訴訟で要求される具体例は3個前後です。大変ではありません。
行政法記述式の「答案構成」について
答案構成とは、簡単に言えば、下書きです。司法試験など論文試験のある国家試験では、普通、答案構成をしてから、答えを書きます。行政書士試験では、配点基準となるキーワード(通常は、2~3)、キーワードをつなぐ接続詞(かつ、又はなど)の確認、形式論(「何と呼ばれ、どのようなことか」という場合は、「~と呼ばれ、~こと。」というように問いの形式に合わせること)。以上の3点を、簡単に箇条書きすればいいと思います。なお、接続詞を間違えると、場合により大幅減点になる場合もあります。接続詞のポイントは、並列の関係か、それとも、選択の関係かを意識して書くことです。