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橋本真也2世の“破壊王子”橋本大地

橋本、坂口、藤波……2世レスラーのそれぞれの決意

前回、力道山3世のデビューについて書きました。アメリカでは2世、3世レスラーが当たり前になっていますが、日本のプロレスも60年の歴史を重ねてきて、ようやく2世の時代に突入しつつあります。

2世レスラーの第1号は力道山の次男・百田光雄。それに続いたのは長男・百田義浩ですが、近年になって注目を集めたのは武藤敬司、蝶野正洋との闘魂三銃士として新日本プロレスの平成黄金時代を築いた“破壊王”橋本真也の息子の“破壊王子”橋本大地のデビューです。

父・真也が脳幹出血により40歳の若さで急逝したのは2005年7月10日。当時、中学1年生だった大地は「中学を出たら後を継いでプロレスラーになる」と心に誓い、小学校6年からやっていた空手に加えて総合格闘技「蒼天塾」にも入りました。周囲の勧めもあって高校に進学しましたが、都合がつけば父が興した団体ZERO1の巡業に参加してプロレスラーになるための練習も開始。父・真也がZERO1を旗揚げしてからちょうど10年目に当たる2011年3月6日、高校卒業を目前にして両国国技館でデビューを迎えました。対戦相手を買って出たのは真也の盟友だった蝶野正洋。父と同じ「爆勝宣言」のテーマに乗り、白いハチマキをして入場してくる大地の姿を見た蝶野は、試合前にもかかわらず思わず涙をこぼしてしまいました。

それから2年半、父親が偉大だっただけに大地は苦しい闘いを強いられています。まだまだ新人の域を出ませんが、橋本2世としてデビュー直後からトップ級のレスラーと対戦させられ、潰され、それでも「これは橋本真也の息子の宿命ですから」と心折れることなく頑張ってきました。しかし昨年の12月24日の新潟の試合で左腕を骨折。年明けの新日本プロレス1・4東京ドームでの武藤敬司との初コンビ結成が幻となってしまいました。4月15日の後楽園ホールでDDTの飯伏幸太相手に復帰したものの再骨折してしまい、10月13日の後楽園ホールでようやくカムバックに漕ぎ着けました。

これまでは気性の激しかった父とは違っておっとりした雰囲気の大地でしたが「いつか必ず、俺を倒してきた奴ら全員をぶっ倒してやる。これが俺の第2のプロレス人生のスタート。俺を倒してきた奴ら、上の奴らに負けないように頑張る」と闘志をむき出しにしています。やはり破壊王の血が流れているのです。プロレスラー3年目に突入したこれからが大地の正念場と言えるでしょう。

異色の存在は“世界の荒鷲”としてジャイアント馬場、アントニオ猪木と並ぶ昭和のスターだった坂口征ニの長男・坂口征夫です。現在、俳優として活躍している弟・坂口憲二と子供の頃から新日本プロレスの道場で遊んでいた征夫は、高校卒業後に新日本入門を目指しましたが、177センチ、70キロと身体が小さかったために断念。プロレスラーの夢を断ちきるべく、裸になれないようにと背中に刺青を入れ、父・征ニを激怒させました。その後、27歳から空手を始めて33歳でプロ格闘家としてデビュー。そして昨年7月22日、DDTの後楽園ホールで39歳の誕生日4日前にして遂にプロレスラーとしてデビューしました。打撃を主体にした荒々しい格闘スタイルで念願だったプロレスへの道を切り開いた征夫を父・征ニも今では応援し、アドバイスを送っています。

そして11月19日の後楽園ホールでは藤波辰爾の長男・怜於南(れおな)がデビューします。玲於奈が父・辰爾に「18年間、プロレスラー・藤波辰爾の息子として生きてきて、改めていろんなことを思うようになりました。父親が上がっているこのリングに自分も上がりたいです。だから僕に本物のレスリングを教えてください。ぜひプロレスラー・藤波玲於奈としてプロレスラー・藤波辰爾の前に立たせてください」と直訴したのは辰爾のデビュー40周年大会が開催された昨年4月24日の後楽園ホール。立教大学法学部に合格したばかりの息子にこう言われた藤波は思わず絶句してしまいました。

答えを保留した辰爾でしたが、息子の本気を感じ取って遂にゴーサイン。怜於南は大学生活を続けながら昨夏にはイギリスに渡ってキャッチ・アズ・キャッチ・キャンと呼ばれる伝統のレスリングを学び、11月からはUWFスネークピットジャパンに通って日本でもキャッチの修行を開始。今年に入って5、7、8月にエキシビションマッチを行って辰爾から合格点を貰い、11月19日にかつて父の付き人でもあった船木誠勝相手にデビューすることが決まりました。

どの世界でもそうですが、親が偉大であればあるほど、その2世は注目されると同時に親と比較され、大きなプレッシャーとの闘いを強いられます。そうした状況で橋本大地、坂口征夫、藤波玲於奈がどうやって自分自身を確立していくか、単にプロレスの技術だけでなく、その闘いを通して透けて見えてくる生きざまに注目しましょう。




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