カメラ任せにせずにどこにピント合わせるかを意識しよう
銀塩カメラの時代には固定焦点レンズを搭載したカメラがありました。これはレンズの絞りを絞ることで特定の範囲にピントが合う被写界深度という現象を利用した方式で、例えば1.5m~無限遠までピントが合うといったザックリとしたものでした。つまり、絞りを絞ることによってピントの合う範囲は広くなるのです。一般的なコンデジは小型軽量化のため、大型化を免れない明るいレンズは搭載できません。必然的にピントの合う範囲は広くなります。しかし、大型センサー搭載コンデジは明るい単焦点レンズを搭載することが多く、絞り開放ではピントの合う範囲が極めて狭くなります。これを利用して主題を強調できます。
撮影モードからA(絞り優先AE)モードを探して選択。これで自由に絞りをコントロールできる
例えばSNSなどにアップされるスイーツの写真。主役はスイーツですが食べている人物も一緒に写す場合もあります。説明的な写真であれば、人物とスイーツの両方にピントがあっているのが正解です。もう少し作品らしい写真にしたい場合は、まず絞りを開放まであけます。具体的な方法は撮影モードダイヤルを回転して「A」モードを選択します。これで絞りが選択可能になります。絞りの操作はカメラによって異なりますが、通常はダイヤルやリングを回して数値を変更します。数字が小さいほど絞りは開放に近付き、ピントの合う範囲が狭くなり、それ以外の部分がボケます。AFが顔認識モードになっていると顔にしかピントが合わないので、外して下さい。AFフレームはマルチではなくシングルを選択します。これでAFフレームがセンターに固定されるので、構図を決めたら、ピントを合わせた被写体をフレーム内に入れてシャッターボタンを半押しにします。フォーカスが合って固定されるので、最初の構図に戻して、そのままシャッターボタンを押し込みます。MFの方が操作性が良ければ、AFをMFに切り替えて、自分でピントを合わせても構いません。これで撮りたかった主役がグッと引き立つ写真が撮れます。
人物を主役にしたピントの位置。手前はややボケている
スイーツが中心のピント。人物は背景のボケとして扱う