住宅メーカーがなぜ卓上栽培キット…?
記者会見には住宅メディア以外からも集まった
東日本大震災後の住宅業界は、先進的な設備をあちこちにつけたスマートハウスの訴求に大きく振れました。非常時でも生活できるだけの電気を溜めておく蓄電池、家庭内のエネルギー使用状況が逐次見られるHEMSやTVモニター、電気を使いすぎるとアナウンスしてくれるロボット……これらは確かに、今も原発の収束が見られない不安定なエネルギー状況下において、少しでも節電・省エネしなければならない中で必要が設備であったり技術ではあります。
旭化成ホームズが発売した卓上栽培キット
もちろん、住宅においても太陽光や風、緑など自然の力を利用した構造や開口部の設置など、パッシブ・エネルギー住宅はスマート・エネルギー制御住宅と並行する形で震災後訴求されてきていますが、「パッシブな家=従来の伝統的なつくり」に収斂されますから特に新しい動きはなく、「スマートvsパッシブ」論争もやや一服といったところではないでしょうか。
そういう中で、究極なパッシブな価値観とは何でしょう? これは様々な意見があると思いますが、ガイド個人として周囲の家族を見るに、「身のまわりの小さなことを大切にする」という価値観が一つあるのではないかと考えています。
家族、自然…身の回りを大切にする価値観に
ダイワハウスも植物工場の開発に注力していますが、こういうライフスタイルや価値観の変化を考えれば、大手住宅企業が小さな卓上栽培キットを開発する流れが分かる様な気がします。