投資信託/ファンドの種類を紹介

長期投資なら新興国株ファンドは外せない

アベノミクスに加えて東京五輪招致が決まったことから、日本株に投資家の関心は集中していると言っても過言ではないでしょう。あるいは、株価指数が最高値圏にあり、またシェールガス革命を追い風にした米国株式に注目している投資家もいることでしょう。しかし長期投資という観点からは高い成長が期待できる「新興国株」を無視するわけにはいかないと思われます。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

お金の悩みに答えるマネープランクリニックガイド

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逆張り型の投資スタイルは万人向き

注目の新興国株ファンド

注目の新興国株ファンド

投資スタイルには、上昇トレンドに乗っていく順張り型、大きく売られている投資商品に投資する逆張り型があります。どちらの投資スタイルで資産運用を行うかは個々人の自由ですが、長期投資という観点からは、個人投資家は逆張り投資のほうが利益を確保しやすいように感じられてなりません。

世界のマーケットをふかんすると、順張り型は日本株を始めとした先進国株式、逆張り型はBRICs諸国を始めとした新興国株式と考えられます。新興国株は米国の金融緩和縮小懸念により、投資資金が逃避したといわれていますが、新興国の成長が止まったわけではないのです。

これまでの経済成長の速度が早すぎたことから、巡航速度に戻すための一時的な停滞が起こっていると考えるべきでしょう。そのひとつが、日本を観光等で訪れる外国人の増加率は新興国が先進国を大きく上回っているのです。新興国では高い経済成長により、富裕層のほか、中間所得層が大幅に増えたことがその背景にあると考えられます。

アジアの小型株に注目してみたい

投資で利益をあげるには、高い成長が見込める国や地域に資金を投じることといわれますが、新興国の中でも相対的に高い成長が期待されているのはアジア圏だと考えられます。アフリカなどには未開の地があるのでしょうが、残念ながら投資信託を通じても投資することができない国がほとんどなのです。

とはいえ、アジア地域を投資対象とする投資信託は、アジア全体をカバーするタイプ、中国、インドネシア、タイなどという単一国に投資するタイプなどさまざまなもの既に設定され運用されています。逆張り型の投資スタイルといえども、やはり高いパフォーマンスが期待できそうなものを選びたいのが投資家の心情のはずです。

そこで注目したいのが、これまであまりなかった投資スタイルの投資信託です。本来であれば、運用履歴など検証したうえで投資信託を選ぶのが本筋なのですが、比較対象とする投資信託の数が少ないことから、期待を込めて新規設定ファンドに注目しました。マニュライフ・インベストメンツ・ジャパンが運用する「マニュライフ・アジア・オセアニア小型成長株ファンド」です。

売買高比率を高めて絶対収益を狙いに行く

マニュライフ・アジア・オセアニア小型成長株ファンドに注目したのは、ベンチマークを設けず絶対収益を追求していくタイプの投資信託であること。日本株を投資対象とする好成績ファンド、JPMザ・ジャパンなどのように売買高比率を高めて収益を追求するタイプだからです。

売買高比率とは、私たちから集めた投資資金でどのくらいの売買を行っているかをはかるもので、この比率が高い投資信託ほど、頻繁に売買を行っていることになります。たとえば、売買高比率が2.0だとすれば、理論的には投資している株式全銘柄が年間2回入れ替わっていることになるのです。

日本株ファンドで好成績をあげている投資信託の多くが売買高比率を高くしていることから、外国株も同様のスタイルで運用すれば好成績をあげることができるのではないかと考えたわけです。なぜなら、世界の株式市場では大幅な調整を余儀なくされることが頻繁に起こっており、個別株投資の長期保有が報われにくくなっている気がするからです。

マニュライフ・アジア・オセアニア小型成長株ファンドが投資対象とするのは、時価総額1億~30億米ドル小型株。ただし、実際の銘柄選択では流動性が高いことが大前提となっています。投資対象は、潤沢なキャッシュフローや、高水準の利益成長率の前途有望な銘柄です。

ポイントは、証券会社のアナリストによる英文レポートの作成がほとんどなく、カタリスト(株価上昇の誘因)が発生していないうちに投資をすることです。カタリストとは、新製品の発表、製品価格の上昇、大胆なリストラや経費削減、市場シェア拡大が期待できる契約の獲得、企業利益の上方修正等を指します。

企業がこのような情報を発表すると、より多くのアナリストが銘柄フォローを行い、機関投資の資金がその銘柄に流入。結果として株価が上昇したところを同ファンドは売り抜ける。結果として売買高比率が高くなるというわけです。

2013年7月31日設定され、10月23日時点の基準価額は1万780円。約3ヵ月(設定来)の騰落率は7.8%と良好なスタートを切っています。JPMザ・ジャパンのような好成績を期待したいファンドのひとつといえそうです。ただし、基準価額の振幅は大きいと思われますので、投資は時間分散を活用して行うべきでしょう。一部の販売会社では積立投資も可能になっています。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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