「いつかはゆかし」のアブラハム社の問題点とは

お金がすぐに戻ってこない理由

お金がすぐに戻ってこない理由

以前、MRIインターナショナルの問題を取り上げたことがありました。あの事件は、顧客から集めた資金を、完全に自分たちが費消してしまった恐れがあるという点で、詐欺といっても良いのですが、今回、行政処分となった3社については、各社が顧客からの資金を預かって運用していたわけではなく、その先にはファンドラップを提供している海外の会社があり、そこで管理されていますから、ワケの分からないことにお金が費消されていたわけではない、ということになります。その意味では、詐欺罪の適用は難しいでしょう。

ただ本来、助言しかできないはずなのに、ファンドラップ会社からキックバック(販売奨励金)を受け取り、その会社の商品を中心に販売とみなされる行為を行っていたことが、金融商品取引法に抵触すると解釈されました。

さて、顧客から見れば、自分たちが預けたお金が費消されていないとなれば、当然、解約と投資資金の返却を求めることになると思います。誰だって、金融商品取引法に違反した業者と取引を続けるのは、気分的に嫌だと思いますので。

でも、残念ながらお金は戻ってきません。たとえば今回、アブラハム社が一所懸命、販売したと思われるハンサード社のファンドラップ商品は、積立開始から2年分の投資金額は、30年後に積立期間が満了した時点でなければ返還されないという、特殊な契約になっていますから、昨年10月に「いつかはゆかし」のサービスを通じて申し込んだ顧客の資金は、解約しても戻ってこないのです。

さらに問題なのは、クレジットカードの決済で積み立てている場合、もう止めたいと思っても引き落としが続いてしまうことです。したがって、積立を続けざるを得ない状況になるのです。

もし、今まで積み立てた分が返ってこなくても、それは勉強代として割り切れるなら、クレジットカードの引き落とし口座の残高をゼロにするという手があります。3か月間、連続で引き落としができない場合は、勝手に契約が解除されるからです。

もちろん、その場合も、これまで積み立てたお金が戻ってくることはありません。
このように、海外ファンドでの運用には、国内の投資信託での運用では考えられないリスク要因が隠れています。実際に利用する際は、十分に注意して下さい。



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